データSIMを上手く活用すると、スマホ代の節約になったり、大容量のデータ通信を格安で使うことができるので非常におすすめ。
ただ「そもそもデータSIMって何」が分からないと、サービスの選択が自分にとって良いものなのか判断することが出来ませんし、なかなか手がだせませんよね。
そこで本記事では「データSIMとは何か」と疑問に思っている人、どのように使ったらよいのか、そしてどのデータSIMを使えばよいのかについて解説していきます。
データSIMとは?特徴や音声通話SIMとの違い
契約内容などを認識するカードであるSIMカード。SIMカードにはそれぞれ固有の番号が記録されており、これを認識することで機器を使っているのがどこのだれかを明確にし、通話やインターネット通信を行うことができるようにしています。
そしてこのSIMカードには音声通話が可能な「音声通話SIM」とデータ通信に特化した「データSIM」の2種類があります。
ではさっそくデータSIMの特徴、音声通話SIMとの違いを解説していきましょう。
できることははデータ通信のみ、080や090の電話番号を使った音声通話ができない
データSIMの最大の特徴は音声通話ができないという点。SIMをスマホに入れても、できるのはサイト閲覧や動画閲覧、LINEやSNSなどデータ通信でできることだけです。
ただしLINEアプリやSkypeなどのアプリでデータ回線を利用して、通話することは可能です。
他にも、050のIP電話を使用して通話することもできます。
たとえば「My050」や「050plus」などといった「050アプリ」を使うと、無料で「050」の電話番号を取得することができるので電話が全く使えないというわけではありません。
プラン、会社によってはSMSができない
SMSは電話番号を利用するものなので、基本的にデータSIMで行うことができません。
数文字程度のメッセージを送るならLINEで十分と思いがちですが、SMSは登録や認証の際にも使うことがあるため、意外と不便を感じるポイントでもあります。
しかし、会社によっては音声通話はできるけれどSMSとデータ通信はできるというプランが用意されています。
料金は月額100円から150円上がってしまいますが、必要ならばそちらのプランを選ぶのが良いでしょう。
ただしChat WiFiのように大容量のデータ通信が格安(20GBで2,100円)のデータSIMを扱っている会社はSMSが利用できるプランが準備されていません。
料金が安い、会社によっては20GBが1,000円代で使えるプランも
音声通話ができない代わりに、料金が安いというのがデータ通信の特徴、そして大きなメリットです。
データSIMを取り扱っている会社の料金の代表的なプランの料金を表にまとめたものが以下になります。
容量 | データ通信 プラン (税込) | 回線 | 詳細 | |
Chat WiFi | 20GB | 2,100円 | au docomo softbank | 詳細 |
50GB | 3,180円 | softbank | ||
100GB | 3,278円 | softbank | ||
nomado SIM | 50GB | 3,800円 | softbank | 詳細 |
IIJmio | 2GB | 740円 | au docomo | 詳細 |
4GB | 900円 | |||
8GB | 1,400円 | |||
15GB | 1,730円 | |||
20GB | 1,950円 | |||
mineo | 1GB | 880円 | au docomo softbank | 詳細 |
5GB | 1,265円 | |||
10GB | 1,705円 | |||
20GB | 1,925円 |
ChatWifiようなデータSIMのみ(音声通話SIMなし)の会社は、大容量のデータSIMが非常に安い料金で利用できることがわかります。
音声通話なし、データ通信のみが可能なデータSIMを取り扱っている会社は大きく「レイヤー2接続型」、「SIM再販型」の2つに分けれられます。
それぞれの主な特徴は以下の通り。自分の使い方に合わせて適したものを選ぶようにしましょう。
レイヤー2接続型 | SIM再販型 | |
主な 会社 | BIGLOBE IIJmio(みおふぉん)、 イオンモバイル、mineoなど | ChatWiFi、 NomadSIM、モナWiFiなど |
通信 | 独自の設備を持ち、キャリアと 回線を接続して通信 | キャリアの回線自体を利用 |
音声通話 プラン | 有 | 無 |
特徴 メリット |
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特徴 デメリット |
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データSIMの注意点
大容量のデータ通信も格安に行うことができたり、IP電話やLINEの電話で良ければ音声通話SIMより安く利用できるデータSIMですが、いくつか注意しなければいけない点もあります。
容量が少ないものは通信速度も遅い、快適な速度で使いたいなら大容量のデータSIMを
音声通話プランがあるBIGLOBEやイオンモバイルは容量が少ないプランの料金が非常に安いのですが、その代わりに回線速度が遅いというデメリットがあります。
これらの会社はデータ容量をあらかじめ予測しキャリアから回線をレンタルしている為、そのレンタルするデータ容量はそれほど余裕がなく、回線が混みあってしまうことが大きな要因です。
特に多くの人がネットを使用し回線が混雑する朝の通学通勤時間、昼の休憩時間、夕方から夜にかけての時間帯の回線速度低下は顕著で、1~3Mbps程度になってしまうことはしばしば、下手したら1Mbpsを下回ることがあります。
正直、ストレスなく快適に使うことができるとは言い難いです。
一方、ChatWiFiのような音声通話SIMの取り扱いがなく20GB以上の大容量データSIM(再販型SIM)の場合は通信速度は高速。
これらの会社はキャリアの回線をレンタルしているのではなくキャリアが用意したSIMを利用している為、割と安定して10Mbpsの通信速度、速い時は20Mbpsから30Mbpsの通信速度が出ます。
ですのでもし快適にデータ通信を行うことを望むなら、そういったデータSIMがおすすめ。ただし大容量のプランしかないので、とにかく安さを求める場合には適していません。
端末に適したSIMを選ぶ、SIMロック解除する、SIMフリー端末を購入するのいずれかが必要
データSIMを契約したとしても、使う為には何かしらの端末が必要です(スマホやタブレット、ポケットWiFiなど)。ただそれはなんでも良いというわけではありません。
キャリアで購入した端末はそのキャリアでしか使うことができない「SIMロック」がかかっているという状態になっています。
そしてSIMロックがかかっている状態だと、他のキャリアのSIMは使うことができません。たとえばドコモで契約した際に購入した端末に、auやソフトバンクのSIMを入れても使うことはできないということです。
すでにSIMロックがかかっていないSIMフリー端末を持っている人は別ですが、もしないならデータSIMを使う為には以下の3つのいずれかが必要です。
- 購入したキャリアの端末が利用できるデータSIMを選ぶ
- SIMロック解除を行う
- SIMフリー端末を購入する
購入したキャリアの端末が利用できるデータSIMを選ぶ
データSIMはそれぞれの会社によってどのキャリアの回線を使っているかが異なります。
そして自分が持っている端末とレンタルしている回線に合ったデータSIMを選べば、SIMを挿すだけでそのまま利用することが可能です。
ただもし誤ったものを選ぶと(ソフトバンクで購入した端末なのにIIJmioで契約してしまうなど)、使えないので注意して下さい。
使用回線 | MVNO |
docomo | OCNモバイルONE/mineo/IIJmio /イオンモバイル/BIGLOBEモバイル |
au | UQモバイル/mineo/IIJmio /イオンモバイル /BIGLOBEモバイル |
SoftBank | Y!mobile/スマモバ/mineo |
mineo、IIJmioは複数のキャリアから選べますので、契約時に間違わないように注意しましょう。後から変更もできますが、無駄に手数料がかかってしまいます。
SIMロック解除を行う
SIMロック解除を行えば、ドコモ、au、ソフトバンクいずれの回線を利用したSIMであっても使うことが可能となります。
SIMロック解除はキャリアで無料で行うことができる場合もあるので(条件あり)、検討してみましょう。
以下の記事でSIMロック解除に関して詳しく解説しているので、選びたいデータSIMと端末が異なる場合は参考にしてみてください。
特にChat WiFiのような大容量で格安のデータSIMは回線がソフトバンクの取り扱いがほとんどなので、SIMフリー端末を持っていない、もしくはソフトバンクで購入した端末を持っていない場合はこのSIMロックが必要になるでしょう。
SIMフリー端末を購入する
もちろんあらたにSIMフリー端末を購入するのもあり。
デュアルSIM端末を購入すれば音声通話SIMとデータSIMを1台に挿せるので、非常に使い勝手が良いスマホにすることもできます(後述)。
安く中古品などもでていますし、新品でも安いスマホが多数あるので、チェックしてみましょう。
データSIMの使い方
データSIMは通話ができないというデメリットがあるものの、通話SIMと組み合わせたり、使う端末を選ぶことで通信費をお得にしたり、スマホやタブレットの使い道を広げることができます。
- デュアルSIM(DSDS、DSDV)のスマホに挿す
- データSIMをタブレットに挿す
- スマホやガラホの2台持ちをする
- 余ったスマホを活用する
- ホームルーターやポケットWiFiなどのWiFiルーターに挿す
- ノートPCに挿す
それではおすすめのデータSIMの使い方について紹介していきましょう。
デュアルSIM(DSDS、DSDV)のスマホに挿す
データSIMを使う上で特におすすめなのがデュアルSIM対応端末での運用です。
デュアルSIMとは、2つのSIMを1台のスマホで使う機能のこと。最近このデュアルSIMに対応した端末がたくさん発売されています。
電話は音声のみやデータ通信量が少ない音声通話SIMで、データ通信はデータSIMでと分けることで、非常に安く大容量のデータ通信を行うことができます。
それこそキャリアで大容量プランを使う場合の半額以下になることもあります。
スマホやガラホの2台持ちをする、余ったスマホを活用する
「自分の端末はデュアルSIM対応ではないけど、通話SIMとデータSIMで分けて通信費を安くしたい」という人は、スマホやガラホの2台持ちという方法もあります。
デュアルSIMのスマホ同様、自分の使用条件に合わせた格安プランを選び、メイン端末にデータSIM、サブの端末に通話SIMを挿して、通信用と通話用で分けるのがおすすめ。
サブ端末は格安スマホやガラホを使えば、端末代もデュアルSIMのハイスペックなスマホより安くなり通信費まわりの料金をぐっと抑えられます。
ガラホは画面が小さい分バッテリーが長持ちします。
通話通信のみに使用し、待ち受け状態が多い場合のサブ機はガラホがいいでしょう。
しかしガラホはネットは使えるものの、アプリを新たにインストールすることができないため、サブ機でもデータ通信を少し行うといった場合は格安スマホを選んでおくのが無難です。
さらに、常に持ち歩かないといった場合にも2台持ちの活用法はあります。
- 車内に置いてカーナビとして使う
- お風呂でYoutubeを見る
- 子ども用として取っておく
たとえば、余ったスマホに1~3GB程度のデータSIMを挿し車に常備させると、簡易的なカーナビやドライブレコーダーとして使用できます。
位置情報を使った通信はデータ通信量が少ないとはいえ、メインのスマホをカーナビにしてしまうと何かと不便なので、これは実用性がありそうです。
他にも、メイン機を水没して壊したくない場合、お風呂でYouTubeを見る用として活用したり、子どもが動画を見る・アプリを使って遊ぶ用として活用する方法もあります。
しかし、端末が2台になると充電が面倒、持ち運ぶ時にはかさばる、管理が面倒というデメリットもあるので、そこは要検討ですね。
スマホの2台持ちってメリットはある?おすすめ使い分け方法や格安SIMプランを紹介
ホームルーターやポケットWiFiなどのWiFiルーターに挿す
WiFiルーターは、基地局からの電波を通信端末に送る、いわば通信の仲介をする端末です。
ホームルーターやポケットWiFiなどのルーターにデータSIMを挿せば、テザリングをするより多くの端末で同時に通信ができます(ルーターの種類にもよります)。
特にiPhoneユーザーにはこの方法がおすすめ。
というのも、ChatWiFiやnomadSIMのような再販型SIMはiPhoneでテザリングができません。
せっかく大容量で契約してもタブレットやパソコンにシェアできず、使いきれなければもったいないですよね。
また、Android端末であっても動作保証対象外になっているため、必ずしもテザリングできるというわけではありません。
複数端末で運用することを考えているのであれば、SIMフリーのホームルーターかポケットWiFiを用意しておくといいでしょう。
ただルーターは中古でも手に入れることができますが、ネットオークションなどには赤ロムと呼ばれるジャンク品が混じっていることがあります。
さらにルーターの性能によっては、スマホに直挿しするよりも速度が落ちてしまうこともあるので注意しましょう。
心配ならば、最初からSIMではなくポケットWiFiを契約するという方が良いかもしれません。
ノートPCに挿す
PCはテザリングやWiFiで使うイメージが根強いですが、SIMスロット搭載のノートPCも数を増やしています。
データSIMを一つ挿入しておけば、WiFi環境なんて気にせずにいつでもどこでも利用可能。
頻繁に外出先PCを使うのであれば、ポケットWiFiかデータSIMの利用を検討した方が良いですね。
フリーWiFiはセキュリティ面での心配も大きいですし。
データSIMを使うとスマホ代はどれだけ節約できる?
たとえば、docomoのギガホプラン(無制限)とChatWiFiデータSIM100GB+IIJmio(詳細)で比較してみましょう。
キャリアSIM1枚 の場合 | データSIM+通話SIM の場合 | |
docomo ギガホ | Chat WiFi データSIM 100GB | IIJmio(みおふぉん) |
月額7,865円 | 3,278円 | 858円 |
月額合計4,136円 |
機能的にはほぼ同じでも、docomoよりも4,000円近くも料金が安くなります。
また、家族が契約しているためキャリアから抜け出せないといった場合も、最安プランに変更し、データSIMを契約することで料金を下げることが可能です。
docomoのギガホプランを1GBのギガライト最安プランに変更し、Chat WiFiのデータSIMを契約した場合の料金は以下の通りです。
キャリアSIM1枚 の場合 | データSIM+ キャリア最安プランの場合 | |
docomo ギガホ | Chat WiFi データSIM 100GB | docomo ギガライト 1GB |
月額7,865円 | 3,278円 | 3,465円 |
月額合計6,743円 |
表を見ると分かる通り、月額1,000円程、通信費を抑えることができます。年間12,000円と考えると大きな差ですよね。
おすすめのデータSIM、大容量使いたい人、少しでいいから安く使いたい人向けにそれぞれ紹介
では最後に、いくつかおすすめのデータSIMを紹介します。使ってみようかなと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
Chat WiFi:50GBならこれ!100GBプランもあり
Chat WiFi | |
容量・料金 (データ通信SIM) | 【1年契約】 20GB:2,100円 50GB:3,180円 100GB:3,278円 【契約期間なし】 20GB:2,300円 50GB:3,480円 100GB:3,520円 |
回線 | 20GB:ドコモ 50GB・100GB:ソフトバンク |
契約期間 | 1年orなし |
中途解約金 | 3,300円 |
- 50GB、100GBプラン最安
- 20GBプランは他社の方が安い
- 契約期間なしのプランでも料金差は少ない
Chat WiFiは大容量データSIMの中で最もおすすめのサービス。
100GBプランは最安。50GBでもやすいので使いたいという人にとっても一番おすすめであると言えるでしょう。
契約期間は1年と縛りなしを選ぶことができます。
ただ1年契約でも中途解約金は3,300円しかかからないし、逆に縛りなしでもそこまで大きく料金があがるわけではありません。どちらが得ということはないので、目的にあったものを選ぶのが良いでしょう。
IIJmio:音声通話SIMの20GBならこれがおすすめ!
IIJmio | |
容量・料金 | 20GB:2,000円(音声通話) 20GB:1,950円(データ通信) |
回線 | ドコモ・auのうちいずれかを選択 |
契約期間 | なし |
中途解約金 | なし |
- 20GBが最安(音声通話SIM)
- 契約期間なし
- データ繰越可
IIJmioは音声通話付きのSIMをメインと扱っている格安SIMですが、20GBのデータ通信のみ使える大容量データSIMとして利用することも可能です。
特に音声通話SIMは20GBなら最安。余った容量を翌月に繰り越しすることも可能で、使い勝手も良いです。
評判としても上々で、さらに月額料金割引等も行っているので実際はさらに安く使えますからぜひ利用してみてください。
mineo:データ通信SIMの20GBならこれがおすすめ!
mineo | |
容量・料金 | 20GB:2,178円(音声通話) 20GB:1,925円(データSIM) |
回線 | ドコモ・au、ソフトバンクの うちいずれかを選択 |
契約期間 | なし |
中途解約金 |
- 20GBプラン最安(データSIM)
- 契約期間なし
- データ繰り越し可
- 音声通話可のプランもあり
mineoも音声通話付きのSIMをメインと扱っている格安SIMですが、20GBのデータ通信のみ使える大容量データSIMとして利用することも可能です。
20GB使えるデータSIMとしては最安で、データが余った場合は翌月に繰り越すこともできます。
なおIIJmio同様、20GBプランで音声通話付きを選ぶことも可能となっています。
【まとめ】データSIMは通話SIMと使い分けて通信費を下げることが可能!使う容量に合わせて最適なプランを選ぼう!
本記事で紹介した通り、データSIMと通話SIMを使い分けることで、通信費を下げることができます。
データSIMには1,000円以下で使えるものから、数十GBの大容量が2,000円以下で使うことができるものなど様々ですから、ぜひ活用して無駄に高い通信量を節約しましょう。