Zoom(ズーム)とは、テレワーク(在宅勤務)の拡大で急速に利用者が増加している、ビデオ・WEB会議提供サービスです。
SkypeやChatworkは知っているけれど、Zoomはよく知らない…なんて人でも、明日から急にテレワークが始まって仕事で使うことになるかもしれません。
本記事では、Zoomの特徴や料金、使い方や通信量といった気になることから、セキュリティや画面共有などに関するQ&Aといった情報までとことん解説していきます。
Zoom(ズーム)とは?
Zoomとは、テキストチャットやビデオ会議、画面共有などが可能な企業向けのサービスのこと。
以前からフリーランス等のリモートワーカーの間で広く使われていましたが、テレワークの急速な拡大に合わせてZoom利用者も一気に増えています。
【特徴】複数人の同時参加が可能なビデオ(テレビ)会議を簡単に始められる
ビデオ会議に使えるサービスと言えばSkypeを思い浮かべる人も多いでしょう。
SkypeとZoomの大きな違いは、その利便性にあります。
たとえばSkypeでは、ビデオ会議前に参加者全員がSkypeアカウントを作成し、ビデオ会議の主催者と参加者が互いにアカウントを承認することでようやくビデオ会議の準備が整います。
一方、Zoomは、参加者がZoomアプリを持っていなくても、ビデオ会議の主催者がメールやチャットで送ったURLリンクを開くだけでビデオ会議への参加が可能です。
また、アプリのダウンロードだけしてある状態であれば、サインアップ(Zoomへの登録やログイン)をしていなくても、ログインIDや会議室を入力することで会議に参加することができます。
こういった「リンクをクリックするだけ」「すぐに利用できる」といった気軽さがあるのが、テレワーク時のビデオ会議ツールとして導入が進んでいる背景なのでしょう。
【料金】無料でも使えるが、101人以上の同時接続があれば有料版を契約
Zoomは無料で利用することができますが、3人以上の通話は1回40分まで、同時に通話に参加できるのは100人までといった制限があります。
フリーランスで100人以上の会議に参加することがある、なんて人であれば有料版(月払いで2,200円、年払いで21,120円への切り替えも必要です。
無料版 | 有料版 | ||
料金 | 無料 | プロ版※ 1,760円~2,200円/月 (税込) | |
同時参加 | 100人まで | 101人以上 | |
1対1 | 無制限 | 無制限 | |
3人以上 | 40分まで | 無制限 | |
録画 クラウド保存 | × | 〇 | |
クラウド容量 | なし | 〇 | |
画面共有 | 〇 | 〇 | |
文字起こし | × | 一部あり |
※法人契約の場合は別プランあり
ただ、社内の会議で使うくらいなら100人を超えるようなことはあまりないでしょうし(必要があれば会社が法人用のZoom契約をするはず)、1回40分までを目安に使ったり、40分ごとに再度会議を開き直したりして対応することも可能でしょう。
よっぽどな必要性を感じない限りは、無料版で十分間に合いそうです。
(参考:Zoom事業用料金)
Zoomの使い方は?
Zoomの基本的な使い方について押さえておきましょう。
Zoomアプリをスマホやタブレット、パソコンにダウンロードする
会議の招待URLをもらってからでも良いのですが、可能なら事前にスマホやタブレット、パソコンなどにZoomアプリをダウンロードしておきましょう。
「Zoom」と調べると、すぐに出てきます。
iPhone/iPad | android | ||
ダウンロード | iOS | Google Play |
主催者が会議の日時を設定した招待URLを開く
Zoomは基本的に「ビデオ会議」を目的としたアプリなので、会議を開く人(=主催者)が、会議の日時を設定するところから始めます。
主催者は、設定後に生成できるURLを、会議の参加者にメールやチャットで共有。参加者はそのリンクを開くだけで会議に参加できる仕組みです。
なお最近はセキュリティ強化に伴い、会議室に入るためのパスワード設定が推奨されるようになりました。
Zoomの通信量はどのくらい?
音声通話に比べて通信量の消費が激しそうなビデオ通話。Zoomの通信量は、どのくらいなのでしょうか。
1時間でだいたい200MBから500MBくらい。画面サイズで通信量は変わる
Zoom利用者は週末になると「Zoom飲み会」「オンライン飲み会」をする人も多いそう。
流行りに乗っかって、私も早速友人と1対1でZoom飲みをしてみました。
Zoomを始めてから終わるまでの通信量を大体で測定してみたところ、1時間でだいたい300MB程度。(LINEのビデオ通話は1時間307MBと言われるので、それとあまり変わらないくらい。)
他のアプリのバックグラウンド更新やLINEなどの通信もあるので正確な数字は出せませんが、口コミなどを見て情報を集めた結果、少ない人で200MB程度、多くても約500MBくらいのようです。
これは例えば、1時間に500MB程度使う人が1日4時間Zoomを使うとしたら、1か月20日勤務として40GB、300MB程度で1日1時間毎日使うと、9GBの通信量になります。
データ通信量がSkypeの半分以下で済む
ZoomやLINEのビデオ通話が1時間300MB程度である一方、Skypeの通信量は1時間2GBと結構な消費量。両者を比べると、「Zoomの通信量は少ない」と言われる理由がよく分かります。
Zoom | Skype | ||
1時間の 通信量 (目安) | 約300MB (60~500MB) | 約2GB |
スマホやポケットWiFiの速度制限を気にしながら使わなければいけない人も多いでしょうから、Zoomの通信量が少ないのに越したことはありませんね。
Zoomの通信量を減らしたい時は、画面を小さくする、音声通話を使う
ちなみに、オンライン講義やテレワーク等による月末の速度制限が怖い人は、通信量を少しでも減らすために、Zoomの画面を少し小さくしてみましょう。
表示される画面サイズが小さいほど通信量が少なくなるので、単純にパソコンよりもスマホのほうが通信量は少なく済みます。
また音声通話を使うことで、ビデオ通話よりも通信量は抑えられますので、顔を映す必要のない会議は音声通話で済ませるようにすると良いでしょう。
もし月末までにパケ死(月間通信容量に達して速度制限になる)を迎えそうなら、それまでにポケットWiFiやホームルーターを契約するなど、必要な手も打っておきたいですね。
テレワーク・在宅勤務向けのおすすめの回線・ポケットWiFiはどれ?必要な通信量や利用までの期間を要チェック
Zoomに関するQ&A
ZoomについてのQ&Aを集めました。
Q. 顔はまだしも部屋が映り込んで恥ずかしい。背景は隠せないの?
A. 背景の設定は変更可能。好きな画像に設定することで部屋は映らない。
テレワークでZoomを使う時に部屋を映したくない…なんて声に応えるために、背景を好きな画像に設定できる仕様が加えられています。
いくつもの企業が公式にZoom用の背景画像を提供しているので、それらの素材を使ってみるのも良いかもしれません。
To your favorite Pixar locations…and beyond! Let the fun begin with these rootin’, tootin’ video call backgrounds! pic.twitter.com/xidQ5thBn4
— Pixar (@Pixar) March 30, 2020
Q. セキュリティが不安。会社の秘匿情報が漏洩する可能性はないの?
A. 会議室参加前のパスワード強化や待機室追加など対策は講じられている
Zoomの手軽さを逆手に取り、知らない人がミーティングに悪意をもって入室してくる、いきなり画像を共有して出ていく、といった事案が発生したため、「Zoomのセキュリティは弱い」といった声が出ていたのは事実。
大切な情報を扱う会議に知らない人が入ってくるなんてことは、あってほしくないですよね。
そこでZoomでは、会議室に入る前のパスワードを強化する、主催者が認めた参加者だけを入室させる(待機室)といった対策により、セキュリティを強化しています。
Zoomはセキュリティの問題が指摘されてからすぐにこういった対策を施しているため、今後何かあっても迅速に対応してくれることでしょう。
Q. 画面共有ってできる?
A. 無償版でも画面共有は可能。
有料版でなくても画面共有は可能です。
やり方は簡単、「画面共有」アイコンを選択して、共有したい画面を選択するだけ。
会議で同じ資料や参考サイトを見たいときに使うと便利ですね。
【まとめ】Zoomは便利、ただ使いすぎによる速度制限には注意!!
Zoomについて、その概要や通信量、Q&Aを解説してきました。
テレワークやオンライン講義が広まるなかで、Zoomの需要は今後ますます高まることが予想されます。
確かに無料で100人まで同時通話ができたり、資料を画面共有できたりするのは便利です。
ただ必要に応じて使うようにしないと、スマホやポケットWiFiの月間通信量がオーバーしてしまうなんて人も出てくることでしょう。
速度制限になってしまうとZoomどころか仕事等にも支障が出てくると思うので、自分の通信残量に合わせて適切に使っていかなければいけません。
固定回線を引くにしても工事まで数か月掛かるなんて人も多いでしょうから、もし今後テレワークやオンライン講義が長引くようなら、月間通信量が無制限のポケットWiFiやホームルーターの利用を考えてみてください。