子どもにとって「母親」の存在は特別なもの。父親よりも母親の方が子どもにとって影響力が強いため、母親の子どもに対する態度や言葉がけは、子どもの心と頭の中に強烈に残るのです。
その母親から傷つけられたり、自分の人生をめちゃくちゃにされて、母親に対して嫌な感情をもつ人は珍しくありません。
本記事では、母親が嫌いになる原因や子どもに嫌われる親の特徴、毒親育ちの人が自分に気持ちを楽にする方法を紹介します。
「母親が嫌い」この感情は思春期特有のもの?それとも・・・
この「母親が嫌い」という感情は、中学生や高校生など、思春期のときに成長の過程として誰もが経験するもの。
それとはまた別に、厄介な親・子どもの人生をめちゃくちゃにしてしまう親のことを「毒親」と言いますが、これが問題ありです。
毒親を持つ子どもは、子ども時代は当然、成人してからも親からの呪縛に苦しめられて、悩んでいる人が多いです。
一般的な家庭環境で育ってきた人にはなかなか共感されにくいために、友人などにも話すことができず、一人で問題を抱えている人もたくさんいるでしょう。
母親が嫌いになる原因・嫌われる母親の7つの特徴とは
まずは、母親が嫌いになる原因や嫌われる母親の特徴を参考に、自分の親がどれに当てはまるかチェックしてみましょう。
【母親が嫌いになる原因・嫌われる母親の特徴】
- 過干渉・過干渉が凄く、ルールを絶対に守らなければいけない
- 何をしても認めてくれない・人格否定ばかりをする
- 娘・息子に過剰なまでに完璧を求める
- 失敗を必要以上に責める・逃げ場をなくす
- きょうだいの中で差別をする・比べる
- 娘・息子を自分の思い通りにしたい・言いなりにさせる
- 自分もツライ目にあっているから、娘・息子にも同じ思いをして欲しい
自分がなぜ親のことが嫌いなのか、原因を探ってみてください。
過干渉・過保護、ルールを絶対に守らなければいけない
たとえば「門限は絶対に18時」「異性との交際は認めない」「どこで何をするのか必ず報告しなければならない」など、家特有のルールがありますよね。
親が子どもの安全を守るためにすることなので、どこの家でも多少はあると思いますが、この管理が行き過ぎると「過干渉」「過保護」になります。
中学生や高校生ならまだしも、これが成人後も続くと「息苦しさ」すら感じるでしょう。
過干渉と過保護の違いは?過干渉による子への悪影響と過干渉な親への対処法
何をしても認めてくれない・人格否定ばかりをする
子どもは「母性」として、特に母親に包容力や愛情を強く求めています。
しかし、自分が努力したことに対して「頑張ったね」と評価してくれない・母親が無関心な態度を示すのが特徴で、そのような親と接していると虚無感すら感じるでしょう。
他にも、何をしても「あんたなんて」「どうせあんたは」と人格を否定する言葉ばかり言うのも特徴の一つ。
親から否定的な言葉をずっと浴びていると、自己肯定感※が低くなるどころか、自己肯定感や自尊心を持つことすらできません。
※自己肯定感・・・自分の存在を肯定的に受け入れること
否定的な言葉は言葉の暴力でもあるため、否定的な言葉を浴びせてくる親は、もはや自分の味方と認識する方が難しいです。
娘・息子に過剰なまでに完璧を求める
「〇〇するべきだ」「〇〇しなければならない」というこだわりあり、それに強い執着心があり、自分の理想を子どもに押し付ける親です。
たとえば「女性は〇歳で結婚するべきだ、〇歳で結婚しないと不幸だ」と決めつける、「学費を払ってやるんだから、〇〇大学以外は認めない」など、自分の目指す完璧なもの以外は、絶対に認めないのが特徴。
「親として子どもの幸せを願っている」であればまだ許せますが、世間からの評価や親戚に自慢したいだけなど、理由が「子どものため」ではなく「自分のため」の場合はかなり傷つきますよね。
失敗を必要以上に責める・逃げ場をなくす
この「必要以上に責める」は大体、上記の「子どもに完璧を求める」とセットになっています。
たとえば、親が指定した大学に行けないと「勉強をしていないからだ」「人間失格だ」「生きてる価値がない」など、必要以上に責め立てるのが特徴です。
また、あらゆる面から否定的な言葉を浴びせて逃げ場をなくすため、子どもの自信を完全に消滅させます。
きょうだいの中で差別をする・比べる
これも母親が嫌いになる原因として、上位に挙がるものではないでしょうか。
たとえば、姉妹で成績の良い姉には優しく、不得意なことが多い妹(自分)には当たりが強い・冷たいなど、明らかにきょうだい間で態度を変える親です。
先ほども触れた通り、子どもは母親には無条件で愛されたいと思うものなので、同じ子どもなのに差別されることで「辛い」「苦しい」という感情から親のことが嫌いになります。
幼少期は「他のきょうだいと同じように自分も愛されたい」と思うのが自然なので、それで深く傷付いた経験がある・今も傷ついているという人も多いでしょう。
娘・息子を自分の思い通りにしたい・言いなりにさせる
この項目が当てはまる母親は完全に「毒親」です。
毒親は「自分が産んであげたのだから、自分の思い通りにならないと気が済まない」「自分の言うことは聞くべきだ(支配下におきたい)」という思考なので、どうにかして自分の言う通りになるように仕向けてきます。
たとえば「〇〇に迎えにきて」「〇〇買ってきて」と子どもを召使のようにしたり、「〇〇以外とは結婚するな」「〇〇以外は認めない」など、子どもの人生に関わるような決定権すらも全て奪うのが特徴です。
自分もツライ目にあったから、娘・息子にも同じ思いをして欲しい
この項目が当てはまる母親は完全に「毒親」です。
「自分は苦労したから、子どもには苦労してほしくない」と思うのが一般的な母親ですが、毒親の場合は「自分は苦労したのに、子どもが楽をするなんて許せない・幸せになるのはおかしい」と考えるです。
たとえば、自分(母親)が幼少期に十分にご飯が食べられずに育ったら、自分の子どもにも同じ苦しみを味わってほしいからご飯を食べさせないし、自分が虐待されたから、自分の子どもにも虐待するという心理。
このような毒親は子どもにとって「不幸の原因・苦しみの根源」です。
毒親との向き合い方、自分の気持ちを楽にする方法
「毒親と上手く付き合っていきたい」「友人や普通の人のように親子で仲良くしてみたい」と子どもが望んでも、母親の性格がいきなり変わることって正直ないです。
たとえば「老後に介護をするようになって仲が修復された」だとか「孫が生まれてから変わった」という人もいますが、毒親に対してそれを望むのは厳しいでしょう。
母親の性格を変えることはできないから、自分の性格を変える、自分の思考をコントロールして自分を幸せにしてあげることの方がまだ簡単です。
「自分の中でどのように気持ちを整理したら良いか」は、以下の通り。
【毒親で傷ついた自分の心を楽にする方法】
- 母親のためでなく、自分のために生きていく
- 母親に認められなくても良い、自分のことは自分で認めてあげる
- 母親を嫌いになっても良い・感謝しなくても良い(母の日は無視)
- 母親をかばうために、自分を責める必要はない
- 1人暮らしができるなら、早く母親から離れる、絶縁する
それぞれの項目について、詳しく説明します。
母親のためでなく、自分のために生きていく
まず、母親のためでなく、自分のために生きていくと決めることが大切です。
毒親をもつとこれが難しいけれど「自分を幸せにできるのは自分だけ」「自分の時間は自分のためにあるもの」だと思いましょう。
また母親に言われたことを守る必要もなければ、母親の言うこを聞く必要はありません。
母親の人生と自分の人生はまた別物、母親は既に自分の人生を生きているのですから、自分の人生は自分に決定権があります。自分に関わることは自分が決めても良いのです。
母親に認められなくても良い、自分のことは自分で認めてあげる
子どもは年齢に関係なく、母親に認められたいもの・ありのままの自分を母親に受け入れてほしいものです。
できることなら、母親に満たしてほしい欲求ですが、母親が満たしてくれない場合は、自分だけは自分のことを認めてあげましょう。
なかなか自分を認めることができない人は、毎日3行程度で良いから日記を書いて「今日できたこと」「頑張ったこと」を記入すると良いです。
いになっても良い・感謝しなくても良い(母の日は無視)
母親を嫌いになる自分のことを悲観してしまうかもしれないけれど、それは母親の呪縛のせいかも。
母親が可哀想と思う必要はありません。なぜなら母親よりも自分の方が可哀想だからです。
母親を嫌いになることは悪いことではなく、母親にされたことを思えば、むしろ「普通」のこと。
母親のせいで人生がめちゃくちゃになってしまっている自分に、もっとフォーカスをあててください。
また、母の日が来ると「こんな人を感謝しなければならないのか」「感謝もできない自分は悪いのか」と感じてしまう人もいるかもしれません。
しかし、毒親の場合は感謝する必要はないです。イベントを意識しないようにしましょう。
母親を嫌いになっても良い・感謝しなくても良い(母の日は無視)
母親を嫌いになることに対して、罪悪感があるという人もいるかもしれません。
しかし、嫌なことをしてきた母親に対して「嫌」と拒否反応を示すのは自然なことで「母親だから好きでいなければならない」なんてことはないのです。
自分の心のなかで「母親のことは嫌い」と整理するのは悪いことではありませんよ。
また「母の日」には世間が「母に感謝の気持ちを伝えよう」という風潮がありますが、特に何かをしてあげる必要はないです。
ただそれで「自分は最低だ」と後で自分を責めてしまってツライなら、お礼を一言いうくらいは良いかもしれません。
母親をかばうために、自分を責める必要はない
母親をかばうために、自分を責める必要はありません。
毒親をもつ子どもは、母親からどんなに傷つけられても「自分が悪い」と自分を責めてしまいます。
おそらく「私がこんなに辛いのに、あんたは何もしてくれない」「私がこんなに悲しんでいるのに、助けてもくれない人でなし」と母親に言われ続けて、悪役に仕立て上げられてきたせいでしょう。
母親をかばうために自分を責めるのはやめてください。
母親を責めるのが可哀想と思う人は、自分のことを責めるのも同じくらい「可哀想」と思ってあげましょう。
1人暮らしができるなら、早く母親から離れる、絶縁する
成人として自立する力がある人は、一刻でも早く毒親から離れることです。
私の友人は50代手前ですが、それまでの自分の人生を全て毒親のために使っていました。
約50年間という長い月日を毒親と過ごしてきたいせいで「自分が何をしたいのか」「自分のために生きること」という感覚がなく、毒親と絶縁した今も苦しんでいます。
長く一緒にいると感覚がマヒしてしまうので、自分のためにも一人暮らしができるなら、早く母親と離れましょう。
まとめ
長年、毒親と生活すると、正確な判断ができなくなります。
本当は母親が悪いのに「自分が悪いんだ」と自己否定をして「母親が正しくて自分が間違っている」と思ってしまうからですね。
毒親から離れることは難しいですが、自分の人生をより良いものにするために、自分の心と向き合い自分をコントロールするか、カウンセリングを受けましょう。