【英語テスト】VERSANTとは?TOEICとの違いや試験内容や料金、スコアアップ対策などのまとめ

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VERSANTの内容や料金や対策

VERSANTはイギリス発祥の英語のコミュニケーション能力を測るテストです。

これまでの試験とは異なる点は、英語をいかに知っているかではなく「いかに使えるのか」という診断をされるところです。

そのためVERSANTではスピーキングテストとライティングテストを実施します。

最近では大企業の就職試験でもVERSANTが適用され、「英語を実際に現場で使える人かどうか」という点をチェックされるようになってきました。

つまりVERSANTで高スコアを保持していると転職にも有利なのです。

本記事ではVERSANTの試験内容やスコアの目安、高得点を狙うための対策など詳しく説明します。

目次

VERSANTとは

VERSANTとは、イギリスのピアソン社が運営している英語のコミュニケーション能力を測るテストで、自動音声認識システムと採点システムによって、迅速かつ客観的に英語力が測定できるのが特徴です。(日本国内では日本経済新聞社が独占販売権を保持しています。)

VERSANTでは発話をリアルタイムで理解し、的確に処理する能力が必要とされます。「英語を聞いてから英語で話す」という実際のシーンに沿った英語のコミュニケーション力を測ることができます。

(引用:VERSANT公式サイト

スマホやPCから24時間365日いつでも受験できることと、早くて約20分、遅くても50分間という比較的短時間の試験なので手軽に受けられ、結果も約5分で出ると支持され、米国防総省などの政府機関やグローバル企業での採用時などに使用されています。

TOEICの場合だと1ヶ月ほど前に申し込んで、結果がでるまでも約3,4週間。用事があって受けれなかったとしてもお金はかえってこないといったことを考えれば、かなりありがたいシステムですね。

VERSANTの種類及び試験の内容

VERSANTには以下の3つの種類があります。

  • スピーキングテスト
  • ライティングテスト
  • プレイスメントテスト

TOEICのリーディングとリスニングとは全く違うテスト内容です。

どちらが良いというわけではないですが、書く・話すというコミュニケーションをとる上で必要なことを主にし、より実践的な英語力をはかるようになっています。

詳しく見ていきましょう。

スピーキングテスト

スピーキングテストは所要時間約20分間で、ネイティブによる英語の質問を耳で聞いて、即時に英語で答えるテストです。

出題数は全部で63問。音読や復唱んばど、パートごとに様々な問題があり、リスニング能力が問われるのと同時に「文章構文」「語彙」「流暢さ」「発音」が測定されます。。

スクロールできます
スピーキング
テスト
パートセクション判断される
スキル
A音読(8問)
指示された順序どおりに読む
流暢さ、発音
B復唱(16問)
流れてきた文章を繰り返す
文章構文、
流暢さ、発音
CC.質問(24問)
質問で使用された単語
を使って回答する
語彙
D文の構築(10問)
3つの単語を聞き、

その単語を使って
文章を正しく作る
文章構文、
流暢さ
E話の要約(3問)
短いストーリーを聞いて

自分の意見を
30秒間で要約する
文章構文、
語彙、
流暢さ、発音
F自由回答(2問)
質問に対して自由に回答する
文章構文、
語彙、
流暢さ、発音

時間は約20分と一番短いですが、英語で答えられるだけでは点数にならず、流暢さや発音まで細かく診断されます。たとえば文章構成が正しくても時間が開いてしまったり、発音が上手でない場合はスコアが低くなってしまうので注意が必要でしょう。

ストーリーを聞いて自分の意見を要約するパートEを一番の山場だと感じる人も多いかもしれません。

大企業の採用試験でVERSANTを使用する場合、このスピーキングテストを受けることが多いようです。

スピーキングテストはパソコンはもちろん、スマホアプリでも受験できるので、気軽に受けることが可能となっています。

ライティングテスト

ライティングテストは所要時間約35分間で、画面上の指示に従って英文をタイプして答えていくテストです。

出題数は全部で42問あり、「文法」「語彙」「文章構成」「言葉遣いと文体」「読解力」が測定さます。

出題数は全部で81問あり、リスニング、ライティング、リーディングの能力が測定されます。

スクロールできます
 パートセクション判断される
スキル
ライティング
テスト
Aタイピング (1問)
表示された文章を60秒以内でタイプする
タイピングの
速度、
正確さ
B空欄補助 (20問)
短文内の空欄に適当な単語を1つ入れる
語彙
Cディクテーション(16問)
読み上げられた文章を聞いた通りに
正しく書き取る
文法
D文章再構成(4問)
文章を30秒間読み、
自分の言葉で文章を書き直す
文法、読解力
EEメール記述( 1問)
文章を読み、その状況に沿った提案や
問題点などをEメール形式で書く
文法、語彙、
文章構成、
言葉遣いと
文体、
読解力

パートBの空欄補助の問題は点数稼ぎができるセクションとも言われていますが、それ以降は急に難しくなるという声も多いです。

たとえばパートDの文章再構成では文章を読んで書き直すというものなので、リーディングスキルも必要になります。

ライティングテストだからと言ってひたすら文章を書けば良いというものではないということが分かるでしょう。

ライティングと言えば昔は筆記テストが試験の主流でしたが、今はパソコンを使うことがほとんどなのでタイピングという形式をとっています。

ライティングテストはスマホアプリでは受験対応していないため、パソコン上で受験する必要があります。さすがにスマホで打つのは難しいですから仕方ないですね。

プレイスメントテスト

プレイスメントテストは所要時間約50分で、スピーキング、リスニング、ライティング、リーディングの4つのスキルを総合的に測定するテストです。

出題数は全部で81問あり、スピーキング、リスニング、ライティング、リーディングが測定されます。

スクロールできます
 パートセクション判断される
スキル
プレイスメント
テスト


A音読(2問)
表示された文章を音読する
発音、流暢さ、
文章理解力
B復唱 (16問)
流れてきた文章を繰り返す
発音、流暢さ、
文章構文
C文の構築 (10問)
3つのフレーズを聞き、それらを並べ替え
正しい文にして答える
発音、流暢さ、
文章構文
D会話(12問)
2人の会話を聞いた後に出される質問に答える
発音、流暢さ、
リスニング
Eタイピング(1問)
表示された文章を60秒以内で入力する
タイピングの
速度、
正確さ
F空欄補助(20問)
表示された短文内の空欄に適当と

思われる単語を1つ入力する
語彙力
Gディクテーション(16問)
聞こえた文章を25秒以内に入力する
リスニング、
言語処理能力、
ライティング
H文章再構成(3問)
表示された文章を30秒間読んでから、
90秒間で自分の言葉で文章を書き直す
リーディング、
ライティング
I要約と意見(1問)
表示された文章を読み、文章の要約と
著者の意見に対する自分の考えを
それぞれ書く
リーディング、
ライティング

プレイスメントテストでは、スピーキングテストとライティングを足したような問題が多く、英語をどれだけ使えるかが測定されます。

約50分間で全81問を解かなくてはならず、集中力を維持するのが大変かもしれませんね。

プレイスメントテストはライティング同様、パソコンで受験する必要があります。

VERSANTのスコアの目安、TOEICスコアとの比較

VERSANTの結果はテスト終了から約5分後に出ると言われています。(通信状況にもよる)

結果は「スコアレポート」として確認することが可能です。

VERSANTのスコアは全て20点から80点で採点されます。

なぜ0点~100点までにしないのかという質問に対して公式サイトでは、「スコアスケールの両端はデータが非常に少なくなるため、確信を持って正確なスコアをつけるために統計的に信頼できる範囲内にスケールを絞った」と回答していました。

どのくらいのスコアでどの程度の英語レベルなのかについては、以下の表を見て下さい。

公式サイトでは、ヨーロッパのCEFR(外国語のコミュニケーション能力を示す際に用いられる国際標準規格のガイドライン)と相関した表が載っていました。

以下はスピーキングテストのスコアの目安です。

上記のとおり、だいたい10点~15点くらいの点数幅でレベルが上がっているのが分かります。

VERSANTの日本の平均スコアは38点。仕事や家族について、短い文章であれば基本的な情報は伝えられると判断されるレベルです。

ただ日本人はCEFRよりもTOEICの方が馴染みがあるでしょうから、ここでTOEICスコアとの対応表を確認してみましょう。

上記のように、たとえばTOEICのリスニングで275点だった人の場合、VERSANTのスピーキングテストでは47点~57点くらいに該当しますし、ライティングテストでは44点~53点は取れるだろうと想定ができます。

ちなみにVERSANT日本人の平均点である38点は、TOEICスコアに直すと約500~600点だと言われています。

しかしTOEICで800点という高いスコアを持っている人でも、VERSANTでスピーキング力を測定すると、実は点数が低いということも珍しくありません。

実際にTOEICのスコアが800点以上ある人のVERSANTの点数を見ると、37点~79点とかなり大きな幅があることが分かっているのです。

ちなみに私の知人も、TOEICは700点超えなのにVERSANTのスピーキングテストは平均以下でした。

TOEICはテクニックなどもあるし、そもそもはかられるものが違いますから、こういう結果も珍しくはありません。

VERSANTの料金や申し込み方法、受験の流れ

VERSANTが手軽に受けられるなら自分も受けてみたいと思う人も多いでしょう。

しかし受験料は一体どのくらいなのでしょうか。

そして受験したいと思っても、TOEICのように試験会場があるわけではないので、一体どこで支払い手続きを行えば良いのか手順に戸惑ってしまいますよね。

ここではVERSANTの料金や申し込み方法、申し込み後の受験の流れについて説明します。

VERSANTの受験料

まずはVERSANTの受験料を見てみましょう。

テストの種類受験料
(税込)
VERSANT English
Speaking Test
6,600円
VERSANT English
Speaking & Writing
Test(セット価格)
8,800円
VERSANT English
Writing Test
4,400円
VERSANT English
Placement Test
7,700円

上記のとおりスピーキングテストだけ受ける場合の料金は6,600円、ライティングテストであれば4,400円かかります。

セットであれば8,800円になりますので、いずれどちらも受けるかもしれないという人はセットで受けた方がお得です。

VERSANTの申し込み方法、流れ

VERSANTを個人で受験する場合の流れは以下の通りです。

  1. 公式サイトの「個人で受験をご希望の方」をクリック
  2. 販売代理店の「株式会社ディスコ」か「株式会社ドリームブロッサム」を選択する
  3. テストの種類を選択し、支払い方法等と入力して購入
  4. 購入後1週間以内で受験番号と受験方法が記載されたメールがくる
  5. スマホやPCから受講する(スマホはスピーキングテストのみ)

上記の通り、VERSANTは販売代理店を通して購入するしか方法がありません。

私は株式会社ドリームブロッサムから購入したのですが、一般的な買い物と同じでVERSANTを「カート」に入れて購入し、約1週間でメールが届きました。

VERSANTの受験の流れ

VERSANTの受験方法は、スマホアプリ、ウェブブラウザ、ソフトウェアインストールの3種類があり、テストによって対応しているものが異なります。

スマホアプリに対応しているテストはスピーキングテストのみですので気を付けましょう。

なお受験の流れは以下の通りです。

  • App StoreまたはGoogle Play から「VERSANT」アプリをダウンロードし起動する
    iOS , Android
  • 8桁の受験番号(TIN)を入力する
  • 音量をチェックする
  • 名前と受験場所を回答してスタート

手順は簡単ですね。ただし以下の注意点をチェックしてから受験しましょう。

  • 8桁の受験番号(TIN)は別紙に控えておくこと
  • 静かな環境で受験すること
  • テスト中はスマホを機内モードに設定し、通信もOFFにすること
  • テスト中のメモや録音は禁止
  • すべて英語で回答すること

VERSANTで高いスコアを取るための対策、勉強法

VERSANTで高いスコアを取るためにはどうすれば良いのだろうかと悩んでいる人は多いですよね。

TOEICであれば過去問や参考書で問題を解いていけば自分ひとりでも点数アップすることはできますが、VERSANTのスピーキング・ライティングはそうもいきません。

ではどのような方法で取り組んでいけばよいのでしょうか。

発音や流暢さを身につけるのに効果的なシャドーイング

発音や流暢さを身につけるのにはシャドーイングという勉強法が効果的です。

シャドーイングとは英語の音声を流して「聞こえてきた英語をそのまま真似して言う」方法で、いわゆる音の追いかけっこのようなイメージです。

たとえば”I want apple.”(私はリンゴが欲しい)と聞こえてきたら、すかさず「I want apple.」と真似をします。

シャドーイングではいかに上手く音を真似するかが大事なので、この場合はウォントの”w”の音や、アポーの最後の”l”の音などに耳を澄ませて繰り返すのがポイントです。

シャドーイングで英語の抑揚や自然なスピード、発音を意識しながら続けていくと、段々と英語らしい発音で流暢に話せるようになっていきます。

シャドーイングは聞こえてきた音が何を言っているのか分からないと真似できませんから、音声を流してテキストを読みながら行って下さいね。

どうしても発音のスコアが低いという悩みを持つ人には、オンライン英会話のDMMで発音強制レッスンを試してみるのも良いでしょう。

英単語に特化したテキストやアプリで語彙力を身につける

スピーキングテストとライティングテストに共通して見られるスキルの一つに「語彙」があります。

語彙力が乏しいと、文章構成が分かっていても当てはめるべき単語が分からず、結局相手に伝わりません。

語彙力をつけるには単語を強化できるテキストやアプリを活用するのがおすすめです。

おすすめしたい英単語の本・参考書は以下の3冊。

「システム英単語」は例文は少ないものの、一つの単語に対して同じ意味を持つ他の単語も載っているので同時に覚えることができますし、赤いチェックシートが付いているので単語の意味を隠して暗記しているかをチェックできるテキストです。

「改訂版キクタン」は聞いた単語を声に出して書き取る、というステップを踏むのでライティングテストを受ける人におすすめです。CD付きでリズムに乗って楽しく単語を覚えていけます。

「英単語の語源図鑑」は一つの英単語を切り離し、たとえば”triple”(トリプル)という単語は、「”tri”が3という意味を持つから…」という風に、接頭辞の持つ意味や語源などを考え英単語の意味を予測する力を養っていきます。

ただ単に英単語を覚えるだけでは頭に入らないという人には興味深い一冊になるかもしれません。

次におすすめのアプリの紹介です。

初心者におすすめしたいアプリは以下の3つ。

「mikan」は中学生から大人まで、各レベルごとに英単語学習ができるアプリです。約1分で10単語も学習することができ、発音も同時に聞けます。

「スタディサプリ」は中学英語や受験、資格試験といった目的別に英単語を学べるアプリです。一つの単語に対して例文があり、音声付きなので発音も確認できます。確認テストもあるので暗記したかのチェックも可能です。

「ゲームで英語を学習!英語物語」はRPG感覚のストーリーがあり、ゲームを楽しみながら英単語や英文法、英作文を勉強できるアプリになっています。英文法や英作文があるのでライティングテストを受ける人には特におすすめです。

スピーキング力を強化するオンライン英会話を始める

スピーキング力を強化するためには、何といっても英語を毎日アウトプットしていく必要があります。

そこでおすすめなのは、オンライン英会話を活用するという方法です。

オンライン英会話は、スマホやパソコンなどの通信環境があれば深夜でも早朝でも外国人講師と1対1でフリートークやレッスンを受けられます。

1レッスン25分という短時間の設定なのでスキマ時間に活用できて料金設定も安く、毎日1レッスン受けたとしても、1カ月に6千円程度で済むので継続しやすいのではないでしょうか。

またマンツーマンレッスンなので、レッスン内容を自分に合わせてアレンジできるというメリットもあり、自分の弱い部分を強化してもらうことができたり、人目を気にせず自分のタイミングで質問できます。

講師に「VERSANTを受験するので、自分の文章を正しく訂正してほしい」と言えば教えてもらえますし、チャットボックスにテキストで送ってほしいとお願いすることも可能です。

一方、一般的な通うタイプの英会話だとグループレッスンがほとんどで、自分の発言量が少ないため、アウトプットの練習にはあまり向いていないというのが正直なところです。

英会話カフェも英語に慣れるという点では良いのですが、初心者だとあまり話すことができない場合もしばしばだし、とにかく伝わるかどうかが重視され文章の正しさは身に付きにくいという問題があります。

VERSANTに関するQ&A

ここまでVERSANTのスコアの目安や試験内容などを説明しました。

ただVERSANTでスコアと取ると何に役立つのか、TOEICと違ってまだ知らない人も多いでしょう。

また何点とれば自信を持って周りに言えるのでしょうか。

ここではVERSANTについてよくある質問に答えていきます。

VERSANTのスコアは何に役立つ?

VERSANTのスコアを持っていると就職活動に有利です。

外資系企業では特に英語力が重要視され、英語力が高いことが昇給の条件になっている企業も珍しくありません。ですから点数が高ければ高いほど就職には有利に働く場合は少なくありません。

誰もが知っている大手企業の楽天では、数年前から社員の英語力を人事評価に適用し、VERSANTでの受験を全面的に奨励していました。

VERSANTで何点とれば就職に有利になる?

VERSANTでは総合スコア47点があれば英語でビジネスができるレベルとされていて、公式サイトには47点以上を目指そうと記載されています。

つまり就職の為に目指すなら47点ということ。もちろんもっと高ければもっと重宝される存在になれますが。

スコア47点は「身近な事柄において伝えたいことの要点を包括的に述べることができる」レベルとなっていますから、日常生活では支障ない英語のレベルとも言えます。

ちなみに日本人平均は38点。平均よりもかなり上の点数をとらなければいけないので簡単ではありませんね。

VERSANTに有効期限はある?

VERSANT試験を購入してから受験までの有効期限は、受験番号発行日から1年以内です。

購入後1週間以内にメールで受験案内書が届くので、そこに記載されている受験発行日は忘れずに覚えておきましょう。

VERSANTを受験してみよう

今回はVERSANTというコミュニケーション能力を測るテストについて説明しました。

これまで日本人はTOEICや英検などで英語力を証明してきましたが、今はVERSANTがどんどん広がり、実際にどれだけ実践的な英語力があるのかという判断をされる時代になっているということですね。

確かにビジネスというシビアな世界では、いくら頭で英語を理解していても実際に話せないと意味がないと判断されるということも納得ができます。

特に外資系の企業では英語力がないと即戦力にならないですからね。

VERSANTはそれほど高くはなく、簡単に受験可能ですから、気になるかたはまず一度受けてみてはいかがでしょうか。

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