自分にとって快適な距離感と不快な距離感って「なんとなく」ありますよね。
本記事では、人間関係で疲れないためのちょうど良い距離感や、人とちょうど良い距離感を保つ方法について紹介します。
人間関係で疲れないための「ちょうどいい距離感」とは
まず「人との距離感って何を指すの?」というところから考えると、それは「言葉使い」「個人情報の開示する量」「一緒に過ごす時間」「体の距離(パーソナルスペース)」などが挙げられます。
上記の全ての項目を上手い具合に組み合わせることで、人と「ちょうどいい距離感」を保つことができるのです。
また、その「ちょういい距離感」は人によって異なるということも認識しておきましょう。
自分にとって快適な距離感を認識した上で、相手にとっての快適な距離感を大事にするのが、人間関係を上手く築くコツです。
「この人は合う・あの人は合わない」という自分の中にある感覚を認識する
人は誰でも、自分に合う人と合わない人を、無意識に区別しています。
「自分に合う人」とは、自分にとって良い影響を与えてくれる人、一緒にいると幸せ・楽しい人のこと。
逆に「自分と合わない人」とは、どう接したら良いかわからない人・自分のことを傷つける人のことです。
自分にとって「人との快適な距離感」を見つけるためには、まず「自分に合う人ってどんな人?合わない人ってどんな人?」を認識することから始まります。
たとえば「この人、合わないな」という人達が数名いる場合、その人達の共通点を書きだして「自分はこういう人が苦手なんだ」と自分を理解する方法がおすすめです。
共通点が見つかると、対策も練りやすいため、どうしても関わらなくてはいけないという場面であっても、うまくやり過ごせるようになります。
【参考】嫌いな人と関わらない方法とは?物理的に距離を置けない時に気持ちが楽になる方法
自分にとっては快適でも、他人にとっては不快に感じる距離感
自分にとっての快適な距離感が、相手にとっても快適な距離感だとは限りません。
たまに「自分に対して思ったことがあれば、どんどん言って欲しい」「私は気にしない!むしろ嬉しい」という考えをもつ人がいます(その考えは良い)。
しかし、それが周りの人にも当てはまると勘違いしている人は、人との距離感ががうまく掴めずに、嫌われてしまう人でしょう。
たとえば、容姿にコンプレックスを持っている相手に対して「太った?」「ブサイク」と言ったり、子どもがなかなか授かれない人に対して「なんで子ども産まないの?」「病気なの?」と聞いたり。
人は自分を否定されたり、けなされたりすると嫌な気持ちになります。
悪気がなくても、こうった言葉は非常に人の心を傷つけてしまうのです。
自分の発言によって「相手がどのように感じとるのか」、相手の気持ちを想像もせず、なんでも口にしてしまう人は「他人の心に土足で入る」ので嫌われます。
人と上手く距離をとれない人は、相手の気持ちに関係なく「自分が思ったことを言いたい」「自分の知りたいことを聞きたい」と自分主体で行動してしまうので、他人から嫌われる傾向が高いです。
「距離が近い」と嫌われる?人間関係の距離が近い人の特徴
「この人、距離が近すぎる」と嫌われる人の特徴は、以下の通りです。
- 相手が「どうしたいか」よりも「自分がどうしたいか」が優先
- 空気が読めない、人の気持ちが分からない(無神経とも言う)
- 信頼関係が築けてないのに、頼み事をしたり、休日に遊びに誘う
- 人と打ち解けるのが早い、友達ができやすい(良いこと)
それぞれの項目について、具体例をあげて説明します。
自分主体で、他人の気持ちよりも自分の気持ちを優先する
先ほども触れた通り、人との距離感が近くて嫌われる人は、自分主体で考えるため、他人の気持ちを汲み取るのが苦手です。
たとえば、相手が聞きたくないような話をと長々と話したり(自分が話したいから)、相手が話したくないような話に対して、立ち入った質問をしてしまいます(自分が知りたいから)。
「相手がどうしたいか」よりも「自分がどうしたいか」の方が大事で、優先してしまうからです。
人は、特に興味のない自慢話を長々とされたり、話したくないことについて、しつこく質問されると、この人、距離が近すぎる」「鬱陶しい」「空気が読めない人」とウンザリします。
人と円滑なコミュケーションをとるには、自分と相手、両者にとってメリットがあるようにしないといけません。
できれば「相手が聞いてほしそうなことを質問する」「相手が聞いて役に立つこと・嬉しいことを話す」ようにしたいものですね。
相手がコンプレックスに思っていることをわざわざ話題したり、指摘する
距離感が近くて嫌われる人は、人が「わかっていてもあえて話題にしない話」を、わざわざ話したり、質問したり、指摘したりします。
容姿に関わること、病気、失敗した話、恥ずかしい話、変な癖などのデリケートな話を、場所や相手、その場にいる人達の構成を考えずに話題にしてしまうのです。
たとえば、職場の皆が集まる場所で「〇〇くん、××くんのせいで、あの日イライラしてたよね」「〇〇さん、忘年会のあと、××くんと一緒に帰ってたところ見たよ!付き合ってんの?」など。
「それは、ここでする話ではないでしょ」という話をわざわざ話題にしてしまうので、質問された本人だけでなく、周囲の人の居心地も悪くしてしまいます。
信頼関係が築けてないのに、頼み事をしたり、休日に遊びに誘う
頼み事のレベルは、お互いの信頼関係によって「許される範囲」とそうじゃない範囲が決まります。
たとえば「立ったついでにティッシュとって」なら、そこまで手間もかからないような頼み事なので、とくに信頼関係が出来上がっていない相手に頼まれても「やってあげよう」と思えるでしょう。
一方、「1万円貸して」「終電逃したから、家に泊めて」「休みの日の買い物付き合って」など、十分な信頼関係も築けてないのに、手間の時間もかかるような頼み事をされると「え、この人、距離感大丈夫?」と思われてしまいます。
「自分の時間を割くのに値する」という相手から頼られるのは嬉しいですが、それ以外の相手からの頼まれごとは「面倒・迷惑」と受け取られることもあります。
人と打ち解けるのが早い、友達ができやすい(良いこと)
「人との距離が近い」という性格は、嫌われてしまうといったデメリットだけではなく、友達が多い、友達ができやすいというメリットもあります。
「人との距離感が近すぎる」これはある意味「誰に対しても、ありのままの自分でいられる」「自己開示が上手な人」です。
たとえば旅先での出会いなど、初対面であっても、仲良くなるのに時間はかかりません。
遠慮してしまうと、その場限りの「他人」で終わりますが、会った途端に興味を持って話しかけることができたり、連絡先を聞けることで、旅が終わっても関係が続くこともあります。
こういった自己開示が上手い人と一緒にいると、周囲の人も関わりが増えたり、思いもよらずに仲が深まる楽しい体験をすることもあるので、良い面もあります。
人と適度な距離を保つためにした方が良いこと4選
人と適度な距離を保つためにした方が良いことは、以下の通りです。
- 自分にとって心地よい距離感、相手にとって心地よい距離感を把握する
- 人間関係がしんどく感じたら、一旦、距離をとる
- 「この人距離が近いな」と感じたら、2人きりになる機会を減らす
- 自分のことを話しすぎない・相手にも質問しすぎない
それぞれの項目について詳しく説明します。
自分にとって心地よい距離感、相手にとって心地よい距離感を把握する
理想は、自分にとっても、相手にとっても、心地よい距離感を保つことです。
相手にとって心地よい距離感を確かめるのは「徐々に距離を縮めていく」方法が無難。
最初から馴れ馴れしいと警戒されるので、徐々に話の内容を深くしていったり、言葉使いを砕けさせたりするのがおすすめです。
ただ「近すぎる」と感じる場合は、後述する方法を試してみてください。
人間関係がしんどく感じたら、一旦、距離をとる
たとえば「この人と一緒にいると、自分の心の平和が乱れるな」という人がいたら、距離を置いてみると良いでしょう。
心理学で人間関係について話をする際には「ヤマアラシのジレンマ」という言葉がよく使われるのですが、その話を聞けは少し納得するかもしれません。
ヤマアラシのジレンマとは、針毛であるヤマアラシ同士が、寒い場所でお互いを温め合おうと近寄ると、その針毛が相手にあたり、傷つけてしまう・・・という話です。
「人間関係においても、適度な距離が必要である」という意味で、適度な距離に戻すため「近づきすぎているかも」というときは、一度離れてみましょう。
「この人距離が近いな」と感じたら、2人きりになる機会を減らす
「距離は置きたいけど、連絡をとらないようにしたり、会わないようにするのは難しいという場合、2人きりでいる機会を減らすのがおすすめです。
たとえば「今までは2人で会っていたけど3人で会う」、1人で行動してみるなど。
他にも、ラインなどの連絡を頻繁に取り合っていることが疲れの原因なら、返信ペースを落としてみましょう。
「実は、スマホをいじるのを最近は控えていて・・・」と言っておけば、角も立ちません。
実際、睡眠の質をあげるためには「スマホの利用は寝る前の90分前まで」なんて話もあるので「最近寝つきが悪いから・・・」といった話をしておくと良いです。
自分のことを話しすぎない・相手にも質問しすぎない
なんでも聞かれたことに対して、真実を丁寧に話す必要はありません。
答えたくないことや知られたくないことについては、多少の嘘はついても良いのです。
また、あれこれ自分のことを話してしまうと、相手は信頼関係を築けていると勘違いしてしまうので、あまり自分のことを話しすぎないようにするのも人との距離を適度に保つ秘訣。
逆に、相手に質問しすぎてしまう人は「自分の話を他人にするのが嫌」という人がいることも理解した上で、あまり近距離になりすぎないように、質問を控えるようにすると良いです。
日々の微調整が、適度な人間関係の距離を保つ秘訣に繋がる
人間関係で疲れるのは「相手と適度な距離を保ててない」というのも原因の一つ。
職場の同僚や友人であっても、距離が近づき過ぎたら離れて、遠すぎたら近づいて・・・日々、意識しながら適度な距離を微調整することで、人間関係で疲れずに済みます。
自分にとっての快適な距離感と相手にとっての快適な距離感が上手く合うように、相手の気持ちと自分の気持ちを大切にしましょう。