留学をしようとしている人で、ホームシックになったらどうしようと思っている人はいませんか。
海外に行ったことがなかったり、家族と離れて暮らした経験がない人は特に心配ですよね。
本記事では、留学先でホームシックになりやすい人の特徴、ホームシックになってしまったときの対処法について紹介します。
留学したけど、ホームシックで帰国したいと感じる人は多い
ホームシックとは、慣れない土地の生活に馴染めず、故郷や家族を恋しく感じる精神状態のこと。
程度の差はありますが、海外留学に行ったほとんどの人がホームシックを経験しているといっても過言ではありません。
ここでは、留学でホームシックになる原因やその症状について説明します。
ホームシックになる原因
留学でホームシックになる主な原因は、以下の通り。
【留学でホームシックになる主な原因】
- 言葉の壁があり、周囲とうまくコミュニケーションがとれない
- 地元や家族との物理的な距離が遠い
- 現地の生活や習慣に馴染めない
留学したばかりの時は現地の言葉が話せず、友だちができなかったりちょっとした世間話ができる知人もいないので、心細くなってしまうことが多いものです。
また、慣れ親しんだ土地や家族から離れているというのもホームシックの原因の一つ。
最近では、無料のビデオ電話などで離れていても繋がることができますが、実際に触れ合える距離ではないので、どうしても寂しさを感じてしまうものです。
海外の生活に馴染めないことでホームシックになる人もいます。
たとえば、日本と比べて公衆トイレが清潔でなかったり、気軽においしい軽食を買えるようなところが少ないことなども、日本が恋しくなる原因となります。
ホームシックの症状
ホームシックの症状は、人によっていろいろな側面から症状が現れます。
代表的な症状は、以下の通りです。
【ホームシックの症状】
- 食欲不振、眠れない
- 新しい環境の否定、故郷のことが頭から離れない
- 無気力になる、元気がなくなる
- 孤独を感じやすくなる、朝夕に気分が落ち込む
ホームシックには波があり、症状が出て落ち着いた後も、忘れた頃にまた発症することがあります。
最初のホームシックは、生活が落ち着き始める到着後2週間〜1ヶ月ほどで始まることが多いようです。
(参考:白鴎大学論集「ホームシック研究の現状」)
留学中にホームシックになりやすい人の特徴や性格
留学中にホームシックになりやすい人の特徴や性格は、以下の通りです。
【留学中にホームシックになりやすい人の特徴】
- 家族と仲が良く、長期間離れて過ごしたことがない人
- 日本に定期的に会うほど仲良い友達がいる人
- いわゆる「繊細さん」で、変化に対応するのがしんどい人
- ストレスが溜まりやすい人
- 真面目すぎる人・完璧主義すぎる人
それぞれの項目について、詳しく紹介します。
家族と仲が良く、長期間離れて過ごしたことがない人
家族と仲が良い人、家族と長期間離れて過ごしたことがない人、一人暮らしをしたことがない人は、留学先でホームシックになりやすいです。
「会いたいと思ったときにすぐに帰れる距離ではない」「日本にいたときは、こうしていたのに」と、孤独を感じます。
特に英語力がまだ全然ない段階だと、周囲の人とうまくコミュニケーションがとれないので、なおさら、なんでも打ち明けられる日本の家族が恋しくなってしまうでしょう。
たとえば、留学中ホームステイをする場合「ホームステイ先の家族と性格が合わない」「家の仕様が自分に合わない」など、ホームステイ先の家族と上手くいかないときには、さらに落ち込みます。
他にも、留学して間もない頃は、知らない土地を気軽に出歩くことに抵抗を感じて、家にこもって一人で過ごす時間も意外と長いもの。
そういったところから「家族に会いたい」という感情が強くなり、気持ちがつらくなるでしょう。
日本に定期的に会うほど仲良い友達がいる人
日本にものすごく仲がいい友達がいるという人も、ホームシックに陥りやすいです。
日本にいる時は定期的に会うことができた友達も、留学に行くことで会えなくなってしまいます。
今までの楽しかった時間が急に失われてしまうのですから、寂しくなるのも当然でしょう。
また、地元の友達が楽しそうに集まっているのをインスタグラムなどで見たりすることで、ホームシックが加速してしまうこともあります。
留学生活の人間関係がうまく行っていない時ほど、仲の良かった友達を思い出して地元に帰りたいと考えてしまうことも多いでしょう。
いわゆる「繊細さん」で、変化に対応するのがしんどい人
繊細な性格で変化に対応するのが苦手な人もホームシックになりやすい傾向があります。
海外で生活をしていると、人との付き合い方や食事のマナーなど日本の常識が通用しないことはよくあることです。
海外と日本の違いについては、自分が歩み寄って行かない限り対処のしようがありません。
新しい環境に順応しやすい人やいい意味で大雑把な人であれば、海外の習慣にすんなり対応できることもありますが。
細かいことが気になって傷ついたり、相手がどのように感じたのかつい気になってしまうような繊細な人の場合、対応に苦労することが多いもの。
結果的として、カルチャーギャップに疲れて人と会うのがだんだん億劫になり、住み慣れた日本が恋しくなってしまうのです。
ストレスが溜まりやすい人
ストレスを感じやすい人もホームシックに気をつけましょう。
留学先にもよりますが、日本では考えられないぐらい時間にルーズな人や約束を守らない人というのは、残念ながら存在します。
たとえば、留学していると時に同級生と共同で課題を作成するようなこともあるでしょう。
放課後に一緒に調べごとをしようと約束したのに、彼氏彼女と会うからという理由で平気ですっぽかすような人も中にはいたりします。
そのような時に文句を言えなかったり、イライラを溜め込んでしまうような人は要注意です。
また、言葉の壁がある場合は、トラブルがあっても納得できるまで話し合えないことも多く、留学中は日本に住んでいる時以上にストレスが溜まりやすいもの。
人間関係でストレスを溜め込んでいるうちに、その国の人が嫌いになってしまい、日本に帰りたくなることもあるかもしれません。
真面目すぎる人・完璧主義すぎる人
真面目だったり、完璧主義な人もホームシックになりやすい傾向があります。
真面目な人は、他人に頼ることが苦手だという人が多いです。
辛い状況の時も、家族や友達を心配させたくないという理由で悩みを打ち明けられないようなこともあるかもしれません。
また、スキルアップや語学習得に対する姿勢がストイックな場合も多く、「留学中は日本人と一切関わらない」というような極端な人もいます。
このような人は、うまくいかない時も一人でなんとかしようとしてしまうので、心がどんどん疲れてしまいます。
完璧でありたいのに、うまくいかない現実に打ちのめされて、ホームシックになってしまうこともあるでしょう。
留学中にホームシックになったときの対処法
留学中にホームシックになったときの対処法は、以下の通りです。
- 留学前に一人で夢中になれるものを見つけておく
- 「何のために留学をするのか」明確に、英語勉強に打ち込む
- 日本食や日本のものに触れる(日本から送ってもらうのも良い)
- 泣きたいときは泣く、「ホームシックになってるのは自分だけじゃない」と言い聞かせる
- Skypeで家族や友人の顔をみるのがツライなら、手紙を書いて送る
- 日本に一時帰国しても良い
それぞれの項目について、説明します。
留学前に一人で夢中になれるものを見つけておく
留学する前に、熱中できる趣味などを見つけておくと、ホームシックを和らげるのに効果的です。
たとえば、読書であったり、ダンスや楽器の演奏など時間を忘れて夢中で取り組めることがあれば、ホームシックを感じることは少なくなります。
夢中になれることであればなんでも構いませんが、他人と共同作業できるような趣味は特におすすめです。
たとえば、フットサルやバスケットボールなどのスポーツは世界中に愛好者が多く、現地の人とも交流しやすいもの。
こういった趣味は語学の上達にも役立ってくれることがあり、充実した留学生活の助けになってくれるでしょう。
一人で打ち込むとしたら個人的には「漫画」がおすすめ(アプリでも読める)。
日本の漫画は海外でも人気なので、留学先の人との会話で使えることもあります。
「何のために留学をするのか」明確にし、英語勉強に打ち込む
人が孤独を感じたりホームシックになるのは、やることがはっきりしていない時や、将来に不安を感じているような時だったりします。
将来についての漠然とした不安を取り除くために、留学に来た目的を明確にして、具体的に留学後の未来を想像してみるのもいいでしょう。
目的がしっかりと見えていれば、悩んでいるより先にやらなければいけないことが見つかるはずです。
将来の姿を想像し、目標に向かって勉強に打ち込んだり、今やるべきことをすることで、心にホームシックが入り込む隙間を小さくすることができます。
日本食や日本のものに触れる(日本から送ってもらうのも良い)
生活スタイルのギャップからホームシックになっている人は、日本を感じられるものに触れることで解消できることもあります。
たとえば、現地の食事が合わないと感じる人は、たまには日本食を食べに行ったりすることもおすすめです。
大きな都市であれば、日本の食材が手に入るスーパーマーケットもあるので、自分が食べたいものを手作りしてみるのもいいかもしれません。
日本でしか手に入らないようなお気に入りの品があれば、家族に送ってもらうのもいいでしょう。
また、留学中にずっと日本人同士で固まってばかりいるというのは「語学勉強」の面で言うと、あまりよくないかもしれません。
しかし、たまには日本人の友達と思いっきり日本語を話すのも良い気分転換になりますよ。
留学中にその国の文化や言葉を吸収するのは大事ですが、たまには息抜きをしてもいいのではないでしょうか。
泣きたいときは泣く、「ホームシックになってるのは自分だけじゃない」と言い聞かせる
程度の違いはあれど、留学経験者の多くは、年齢に関係なくホームシックになるものです。
ただ、中にはホームシックになること自体が恥ずかしいと感じる人もいるかもしれません。
「精神的に幼いんじゃないか」、「メンタルが弱いんじゃないか」などと考え、自分がホームシックであることを認めずに我慢していると、精神的にも身体的にも良くありません。
ホームシックで辛いと感じた時は、我慢せずに思いっきり泣くことが大事です。
涙を流して泣くことは、笑うこと以上に気持ちがスッキリするという研究結果もあります。
(参考:有田秀穂「涙とストレス緩和」)
ホームシックになるのは珍しいことでも恥ずかしいことでもないので、「ホームシックになってるのは自分だけじゃない」と自分に言い聞かせて、素直に感情を吐き出してしまいましょう。
Skypeで家族や友人の顔をみるのがツライなら、手紙を書いて送る
Skypeなどで、日本にいる家族や友達の顔を見るのは簡単ですが、実際に会えないことでかえって寂しさを感じる人もいるかもしれません。
そういう人は手紙でやり取りしてみてはどうでしょうか。
日記をつけても良いのですが、日記は「返事」が返ってくることはないので、少し寂しいです。
メールと比べると時間や手間はかかりますが、手紙を書いているうちに泣いてしまっても相手に気を使う必要もないし、自分の気持ちを言葉にすることで、気持ちが整理されて、ホームシックによる寂しさ、我慢などのストレスが和らぐこともあります。
また相手から返事が貰えたら、メールの機械的な文字より、手書きの文字で文章を読む方がずっと相手を身近に感じることができるはず。
アナログな手段ですが、手紙のやり取りはホームシックで疲れた心を癒してくれるでしょう。
日本に一時帰国しても良い
モヤモヤした気持ちのまま留学を続けていても、うまくいかないことは多いでしょう。
工夫次第で、留学先でも気分転換することはできますが、重度のホームシックの場合、それだけではスッキリできないこともあるかもしれません。
我慢できないほど日本が恋しくなったら、一時帰国するのもいいでしょう。
短い期間だけでも日本に戻り、家族や友達と会ったり、日本食を食べたり、日本のテレビ番組をみたりすることで、新たな気持ちで留学に向かうことができるようになります。
一時帰国することが、日本に逃げ帰るようで気が進まないと言う人もいるかもしれません。
しかし、留学の目的は嫌なことを我慢することではなく、何かを学ぶことであるはずです。
何より、身体の心の健康が第一なので、「やばいかも」となる前に一時帰国してしまいましょう。
留学前にシミュレーションしておこう
ホームシックは留学生の多くが経験することですが、どのように対応するかによってその後の留学生活は大きく変わります。
充実した留学にするために、ホームシックになってから対策するのではなく、留学の準備をしている段階から十分にシミュレーションしておきましょう。