職場や日常生活の中で、その人と話をするとなぜか疲れてしまう…。一緒にいるだけで何となくエネルギーが吸い取られてしまうような感覚を覚える…。そんな経験をされたことはありませんか?
このような特徴を持つ人々を「エナジーバンパイア」と呼ぶことがあります。
この記事では、エナジーバンパイアの特徴や影響、対処法、自分がそうならないためにすべきことについて詳しく解説していきます。
エナジーバンパイアとは?
エナジーバンパイアとは、無意識のうちに他人のエネルギーを吸収し、自分のエネルギーとして利用してしまう人を指します。この現象は、心理的にもエネルギー的にも負担を与えるため、注意が必要とされています。
例えば、一方的に長時間話し続ける人、常に自分の問題を相談してくる人、頻繁に否定的な発言をする人など。こういった人々と接していると、なぜか心身ともに疲れを感じてしまうことがありますよね。
このような行動は本人にとってのストレス発散手段であることも多いのですが、受け手にとってはエネルギーを奪われる結果となってしまうのです。
ただエナジーバンパイアの行動は、悪意を持っているわけではなく、多くの場合、自分が他人に与える影響について無自覚です。
単純に話を聞いてほしい、共感してほしいという純粋な欲求から来ている場合もあります。
しかし、その結果として他人に過剰な負担をかけていることに気づかないため、周囲の人々が疲労感やストレスを感じることがあるのです。
エナジーバンパイアと関わることによる影響
エナジーバンパイアと長期間接することで、私たちの心や身体にさまざまな影響が及んでしまうことがあります。
心の疲労感が増え、ストレスがたまる
エナジーバンパイアとの関わりで最も顕著な影響は、精神的な疲労感の蓄積です。
彼らのネガティブなエネルギーや言動が私たちに影響を与え、精神的なエネルギーが消耗してしまうのです。
そしてそれは心の疲労ではなく、身体的にも影響を及ぼし、疲労や体調不良といったことを起こすこともありえます。
たとえ短時間の会話であっても、その後に強い疲労感を覚えることがありませんか?
また、その人との予定が入っているだけで気が重くなったり、会う前から疲れを感じたりすることもありませんか?
それは、その人とのエネルギーのやり取りがアンバランスになっていることを示すサインかもしれません。
自信や自己肯定感が下がってしまう
エナジーバンパイアは他人を否定したり批判したりすることが多いため、一緒にいる人の自信や自己肯定感を下げてしまうことがあります。
「それは間違っている」「そんなの無理だ」といった否定的な言葉を頻繁に聞かされると、自分の行動や考えに対して不安を感じるようになってしまうのです。
また、相手の要求や期待に応えようとし過ぎることで、自分の本来の姿を見失ってしまう危険性もあります。
感情が不安定になることが増える
エナジーバンパイアとの関わりは、私たちの感情の安定性にも影響を及ぼすことがあります。
特に、相手の感情に過剰に共感しすぎると、自分自身の感情が乱され、安定感を失いやすくなってしまいます。
例えば、相手が怒りや悲しみを強く表現する場合、その感情に引きずられて自分も同じような感情を抱いてしまうことがありますよね。
このような状態が続いてしまうと、日常生活の中、その人がいない時でも感情のコントロールが難しくなることが常態化していまうこともあるのです。
エナジーバンパイアの特徴
ではエナジーバンパイアはどういった特徴を持っているかについて見ていきましょう。
不満・文句などネガティブな言動が多い
エナジーバンパイアの最も顕著な特徴の一つは、頻繁に不満や文句を言う傾向があるという点です。
例えば、「無理だ」や「どうせやっても意味がない」といった発言をすぐ言う人が周りにいませんか?もしかしたらその人はエナジーバンパイアかもしれません。
これらの言動は、周囲の人々にストレスを与え、エネルギーを吸い取る要因となります。話を聞いている側が心理的に疲労してしまうのです。
人に依存する傾向が強い
自分で決断や行動を起こすことを避け、常に誰かに頼ろうとする傾向も特徴的です。
些細な決定でも他人の意見を求めたり、自分の問題解決を他人に委ねようとしたりします。また、一度助言をもらっても実行に移さず、同じ相談を繰り返すことも。
時には自分だけで抱え込まず、周りに助けを求めることはもちろん必要なことです。
しかしそれが過剰になりすぎると、周囲の人々の精神的エネルギーを大きく消費させる要因となってしまうのです。
自己中心的
相手の状況や感情を考慮せず、自分の要求や感情を優先する傾向があります。ようするに自己中心的なのです
例えば、相手が忙しそうにしていても長々と話し続けたり、自分の都合で急な予定を変えたり。会話が常に自分の話題に終始し、相手の話を遮ったり無視したり。
そういった行動によって自分はエネルギーを補充、逆に周りはエネルギーを消耗してしまうことになるのです。
何かとトラブルを引き起こしがち
対人関係において、頻繁にトラブルや衝突が発生することが多いのもエナジーバンパイアの特徴。
自己中心的で、かつ問題を自分で解決する能力がない為、周りが負担を強いられることが多くなり、それがトラブルを引き起こす要因となるのです。
さらにトラブルの原因を自分の側に見出すことは少なく、常に他(環境や違う人)に問題を求める傾向があります。
被害者意識が強い
常に自分が不当な扱いを受けていると感じ、被害者の立場に立とうとするのも一つの特徴。
周囲の何気ない言動も悪意に解釈したり、自分だけが損をしていると考えることが多いです。
この被害者意識は、周囲の人々に罪悪感や負担感を感じさせる要因となってしまいます。
「こんなに苦労しているのに誰も助けてくれない」「自分だけが損をしている」といった発言が多い場合、その人はエナジーバンパイアかもしれません。
すぐに否定や批判をする
エナジーバンパイアは他人の意見や行動に対して否定的な態度を取りがちです。
「それは無理」「そんなの上手くいかない」といった否定的な反応を示し、相手のモチベーションや前向きな気持ちを低下させてしまいます。
感情の起伏が激しく、それを表に出す
エナジーバンパイアは感情のコントロールが難しく、その時々の感情を強く表出する傾向があります。
喜怒哀楽が激しく、特にネガティブな感情を抑制することなく表現してしまう。この感情の波に、周囲の人々が振り回されてしまいます。
そして本人はそれが周りを不快にさせたり、ストレスを感じさせる要因となっていることに気づくことができていません。
エナジーバンパイアへの対処法
エナジーバンパイアと接するときには、適切な対処法を取ることが大切です。
過剰に避ける必要はないが、適度な距離を保つ
エナジーバンパイアと関わりは過剰に、完全に避ける必要はありません。
仕事や家族など、完全に避けられない関係の場合がありますし、過剰な否定はあなたにとっても良いことではありません。
エナジーバンパイアとは、適度な距離を保つようにしましょう。
たとえば、必要以上に長時間一緒に過ごすのを避けたり、プライベートでの深い関わりは避けるといったことで十分。
会う時間や頻度にも適度な制限を設け、青手からのネガティブなエネルギーを受け流すように心がけることで、自身のエネルギーを守ることができます。
境界線をはっきりさせる
エナジーバンパイアと適切に付き合うには、自分と相手の間に明確な境界線を設定することが必要です。
あらかじめ話す時間を決めたり、無理な要求に対して断固としてノーと言うなど、過度に入りこまない。入り込ませないようにしましょう。
「今は時間がない」「それは私にはできない」といった形で、はっきりと自分の立場を示すことが大切です。これは決して相手を拒絶することではなく、健全な関係性を保つために必要な自己主張なのです。
相手の話に共感しすぎない
エナジーバンパイアの話に共感しすぎると、相手のネガティブな感情に巻き込まれ、自分自身の感情が乱れてしまうことがあります。
共感は必要ですが、それが過剰になると、自分のエネルギーが消耗してしまいます。適切な距離感を保ちながら話を聞き、相手の問題をすべて背負い込まないように注意しましょう。
無理なことは無理だとはっきり言う
相手からの無理な要求や期待に対しては、きっぱりと断ることも必要です。
「無理なものは無理」とはっきり伝えることで、自分のエネルギーを守ることができます。相手を傷つけるのではなく、適切な言葉で自分の意志を伝えることで、関係を悪化させずに距離を保つことはできるはずです。
自分はポジティブな言動を心がける
相手のネガティブなエネルギーに影響されないよう、自分自身のポジティブな姿勢を保つことが重要。
前向きな言葉を意識的に使い、自分自身のエネルギーレベルを高めることで、相手の影響を受けにくくなり、それが自分のエネルギーを守ることにつながります。
心のエネルギーバリアを意識してみる
心の中で自分を守るエネルギーバリアをイメージすることも効果的です。
これは、自分と相手の間に見えない壁を作るような感覚で、自分のエネルギーを相手に奪われないようにする方法です。
具体的には、相手と接する前に深呼吸をして自分の意識を整え、「私のエネルギーは私だけのもの」という意識を強めることで、ネガティブな影響を最小限に抑えることができます。
自分がエナジーバンパイアにならない為に気をつけるべきこと
注意しなければいけないのが、エナジーバンパイアは誰もがなりうること。疲れている時、ネガティブなことばかり起こった時など、自分では気づかないうちに他人のエネルギーを奪う側にまわってしまうこともあるのです。
そうならないための意識的に以下のことを実践してみてください。
自分の感情やエネルギーの状態を自覚する
まず、自分自身の感情やエネルギーレベルに気づくことが重要です。おしてネガティブな感情を抱えているときには、その環状に他人を巻き込まないよう注意が必要です。
疲れているとき、ストレスを感じているとき、不安を抱えているときなど、自分の状態を認識することで、他者に対して無意識にエネルギーを求めてしまう行動を防ぐことができます。
相手の感情やエネルギーを考えるように心がける
他人の感情やエネルギーに敏感になることで、自分の言動がどのような影響を与えているかを意識することができます。
他人を思いやる気持ちを持ち、相手の立場に立って考える習慣をつけることさえできれば、エナジーバンパイアになんてなりません。
過剰に他人に頼りすぎない
エナジーバンパイアは、他人に過剰に依存することが多いです。自分でできることは自分で行う努力をしつつ、必要な場合は適切にサポートを求めるバランスを保つように心がけましょう。
もちろん全て自分で抱え込む必要はありません。時には周りに助けを求めることも必要です。ただ、かといって些細なことまで他人に頼るのも避けましょう。適度な自立性を保ちながら、必要な時には適切な支援を求めることが大切なのです。
ポジティブな言動を心がける
ネガティブな言動は周りのエネルギーを消耗する一方で、ポジティブな言動は周りにも良い影響を与えます。
ですから、意識的に前向きな発言や態度を心がけるようにしましょう。
もちろん必ずしも常にポジティブである必要はありません。誰だって時には落ちこんだり悩んだりすることはあって当然です。
ただそんな時でも言葉だけはできるだけポジティブになろうと心がけるだけで、エナジーバンパイアにならないだけでなく、あなた自身の心も楽になるはずです。
自分と他人との境界を意識し、無闇に超えない
他者のプライバシーや個人の領域を尊重することを心がけましょう。親しき仲にも礼儀ありという言葉があるよう、どんな人でも踏み込んではいけない領域、守らなければいけない距離感はあります。
必要以上に踏み込んだ質問や要求を避け、適切な距離感を保つことで、より深い関係が築けるのです。
休息やリラックスタイムをしっかりとる
自分自身のエネルギー補給の時間を確保することが重要です。あなた自身のエネルギーが十分あれば、周りからエネルギーを補充する必要なんてありませんからね。
十分な睡眠、趣味の時間、自然との触れ合いなど、自分なりのリフレッシュ方法を見つけ、実践することで、他者に依存することなく自身のエネルギーを維持することができます。
まとめ
エナジーバンパイアという概念は、決して特定の人を非難したり排除したりするためのものではありません。むしろ、私たち一人一人が自分自身と他者のエネルギーについて意識を高め、より健全な関係性を築いていくためのヒントとして捉えることが大切です。
また、誰もが時として無意識にエナジーバンパイア的な行動をとってしまう可能性があります。大切なのは、そのことに気づき、意識的に改善を図っていく姿勢を持つことです。
適切な境界線を設定し、自他のエネルギーを大切にしながら、バランスの取れた関係性を築いていくことができれば、より豊かで充実した人間関係を育んでいくことができるはずです。