「生ごみのニオイ」「生ごみの処理」これは生活する上で、誰もが抱える悩みの一つですよね。
コンポストを使うと、生ごみをゴミとして処分に出すのではなく、家庭菜園などの堆肥として再利用することができたり、生ごみの嵩を減らして、ゴミを減らすことができます。
最近では、サスティナブルな暮らしを実践する中で、ゴミを減らすという観点からコンポストに興味を持っている人も増えているでしょう。
本記事では、手軽に試すことができるおしゃれなコンポストや、コンポストを使うときの注意点について紹介します。
コンポストって何?コンポストを使う理由や種類について
コンポスト(compost)とは、「堆肥(たいひ)」のことで、一般的には「堆肥を作る容器・道具」を指すことが多いです。
家庭からでる生ごみや枯れ葉などをコンポスト容器の中にいれると、乾燥したり、微生物が生ごみを分解することによって堆肥ができます。
コンポストは、生ごみを捨てる手間がなくなる、堆肥で花・野菜・果物を育てることができる、エコ活動にも繋がるなどのメリットがあります。
コンポストは「バイオ式」「乾燥式」「ハイブリッド式」の3種類
コンポストは3種類あり、バイオ式は微生物の力(土)を借りて生ごみを分解・発酵するもの、乾燥式は熱を加えて生ごみを乾燥させるもの、ハイブリッド式はバイオ式と乾燥式と両方の特徴を合わせもつものです。
またコンポストするにも、いくつか方法があります。
コンポストの具体例
- 電動生ごみ処理機
- ダンボールコンポスト
- 密閉式コンポスト
- 土中式コンポスト
- ミミズコンポスト
一言でコンポストと言っても、いろんなやり方があるんですよね(個人的には虫が苦手なので、ミミズコンポストは自分に向かないな)。
庭やベランダがあれば良いのですが、アパートやマンションなどの集合住宅の場合、選択肢がかなり限られてしまいます。
意外と知らない?2036年には、ゴミの埋め立て地が無くなってしまう
環境省によると2016年時点から考えて、20年後(2036年)にはゴミの埋め立て地が無くなってしまうと言います。
新しいゴミの埋め立て地を作るにしても、市民の人達から反対されることもあるし、有害物質による健康・農作物への被害や生態系への影響などの地球環境面から考えても、ゴミは減らした方が良いのは確かです。
最近では、SDGz、サスティナブル、エシカルという流れから、日本でも少しずつ地球環境やゴミ問題への意識は高まっていることもあり、地球のための行動の一つとして、コンポストも今後、注目を集めるかもしれません。
マンションやアパートでも使える手軽に試せるコンポストってある?
せっかく生ごみの活かし方が分かっても、現実的に実践できなければ勿体ないですよね。
先ほども触れた通り、特にマンションや集合住宅に住んでいる人だと、コンポストを使ってみたくても選択肢が限られてしまうし、諦めてしまう人も多いでしょう。
そこで、マンションやアパートでも使えそうなコンポストを紹介します。
マンションやアパートでも使えそうなコンポスト
- 電動生ごみ処理機
- ダンボールコンポスト
- LFCコンポスト
上記の3つは比較的、挑戦しやすいコンポストです。
ちなみに、住んでいる場所によっては助成金が出ることもあるので、購入する場合は、自分が住んでいる市町村が運営する公式サイト等で「生ごみ処理 補助金」で確認すると良いでしょう。
以下、具体的な製品例を挙げながら、それぞれのコンポストの特徴やメリット・デメリットを詳しく説明します。
電動生ごみ処理機|生ごみの悪臭が気になる人、堆肥の使い道が無い人向け
電動生ゴミ処理機は、電気を使って生ごみを乾燥させて堆肥にするタイプのコンポスト。
上記の画像は2020年12月時点、Amazonでベストセラー1位の島産業というメーカーの電動生ごみ処理機「パリパリキューブライトアルファ」 で、価格は2万円です(Amazon参考価格)。
乾燥しやすいものであれば、約400g分を5時間くらい。
乾燥しづらいものであれば、約700g分を9時間くらいで水分を飛ばして、生ごみを「カラカラな状態」にしてくれます。
メリット・デメリットは、以下の通りです。
【メリット】
- コンパクトなので置く場所に困らない
- 室内で気軽に生ごみの処理ができる
- 汁気を無くしてくれるので生ごみ臭がかなり減少する
【デメリット】
- 本体の値段が高い
- ラーニングコストとして電気代がかかる
土を使わないので「生ごみを再利用したい(堆肥にしたい)」という人よりは、ゴミの量やニオイを減らしたいという人向けと言えます。
生ごみの水分が飛ぶと、だいぶ生ごみのニオイも無くなるので、夏場に良いですよね。
上記で紹介した製品の他にも、Panasonicからも販売されています。
かなり個人的な意見ですが、どれも機能的には使い勝手が良いけど、デザイン性で納得できるものが無く、手が出せません(高いのに見た目が納得できないから買えない)。
ダンボールコンポスト|低予算で気軽に始めたい人向け
ダンボールコンポストは、その名の通り、ダンボールにコンポスト用の土を入れて、生ごみを分解・発酵する方法のこと。
コンポスト用の土※は大体1,000円くらいで購入することができ、自宅にあるダンボールを使えば、手軽に作ることができることから、自治体によっては作り方の講習会を行っているところもあります。
※コンポスト用の土:「ピートモス」「もみ殻くん炭」などホームセンターでも購入可能
生ごみにもよりますが、堆肥として使う場合は、3週間~3か月ほどかかります。
メリット・デメリットは、以下の通りです。
【メリット】
- 悪臭が少ない(魚・エビ・玉ねぎは1~2日間臭い場合がある)
- ダンボールと土があればできるので簡単
- 費用を安く抑えることができる
【デメリット】
- 害虫が発生する場合がある
- 生ごみを入れるたびに土をかき混ぜる手間がある
- 少し場所を取る
土を扱うということは少なからず虫とも関わることになるので、虫が苦手な人にはあまり向かないコンポストかもしれません。
特に夏場は害虫が発生しやすいので、予防・駆除するために、駆除・防臭剤を使う必要がある場合もあります。
当然ダンボールは濡れてしまうと劣化するので、雨に濡れない・風通しのいい場所で保管しましょう。
また、自宅にあるダンボールを使う場合は、強度面が不十分のため水分がにじみ出たり、悪臭がする場合があります。
LFCコンポスト|おしゃれな見た目で、機能性を求めている人向け
(画像引用先:LFCコンポスト)
LFCコンポストは「都会でもできる簡単、便利でシンプルなコンポスト」として開発されたものです。
定期便だと税込1,848円~、3週間のお試しだと税込4,708円から使うことができます(初回は税込3,278円)。
生ごみを分解を速めて、悪臭の発生を抑える独自の配合基材(土)、水や虫の侵入を防ぐ特注ファスナー月の専用バッグなど必要なものが全てついているので、初心者でも挑戦しやすいのが特徴です。
1日300gの生ごみを1.5か月~2か月間投入することができ、2~3週間で堆肥になるので、ダンボールコンポストよりも気軽かもしれません。
(画像引用先:LFCコンポスト)
購入したときについてくる内袋をそのまま、プランターとして使うこともできるんだとか。
メリット・デメリットは、以下の通りです。
【メリット】
- 見た目がオシャレかつ機能的
- キッチンに置いていても、あまり気にならない
- 分からないことはLINEで聞くことができる
【デメリット】
- 契約の手間がある
- ダンボールコンポストに比べると費用がかかる
- 虫がつきづらいとはいえ、虫が寄ってくる場合もある
使い方は、雨のかからないベランダや風通しの良いところに置くなど、ほとんどダンボールコンポストと代わりありません。
ダンボールコンポストに機能面を少しプラスして、困ったときはサポートもしてもらえるみたいな感じですね。
小型家電やダンボールだと、万が一使い勝手が合わないときに処分するのも手間なので、こうったものだと挑戦しやすいかもしれません。
コンポストを使うときの必要なものや注意点
「コンポストに挑戦するぞ」と思ったときに、必要なものは以下の通りです。
【必要なもの】
- コンポストの容器
- 園芸用スコップ(土の場合)
- 軍手(土の場合あれば便利)
電動生ごみ処理機の場合は、本体さえ用意すれば後は特に用意するものはありません。
土を扱う場合、虫が苦手な人は、虫を駆除するスプレーなどを用意しておくと役立つはず。
コンポストを使うときの注意点と知っておいた方が良いことは、以下の通りです。
【コンポストを使うときの注意点】
- トウモロコシの芯、たまねぎの皮、肉類の骨などは分解できない
- 果物の種やカボチャの種、味噌やぬか床、調味料は塩分が強いので入れてはいけない
- 動物の糞尿や吐しゃ物、タバコなどは入れてはいけない
- ウジ虫・ゴキブリなど虫が集まることがある(特に夏場)
- 独特なニオイや悪臭がでることがある
- 土を扱うコンポストの場合、雨水が当たらず風通しの良いところで保管する
- 生ごみは細かく切っておいた方が分解されやすい
野菜の芯や卵・カニの殻などは分解しにいくので、長い時間分解されずに残ることがあります。
人間が食べるものであれば大体分解できるので、そこまで神経質になる必要はありません。
自分に合うコンポストが見つかったら、さっそく試してみよう
コンポストを上手く使えば、生ごみのニオイや生ごみの処理に悩まされることはありません。
選ぶものにもよりますが、意外と手軽に始めることができるので、子どもの自由研究などに活用するのも良いでしょう。