最近、日本でも注目を集めている月経カップですが、まだまだ情報は少なく、もっと詳しい使用感についてを知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、「挿入は痛いのか」「眠るときにはどうするのか」など、実際に月経カップを使ってみた筆者のリアルな体験を日記風にわかりやすく紹介します。
月経カップの基礎知識をザっと説明
月経カップとは、医療用シリコーン製のカップで、膣の中に挿入して経血を溜めて使う生理用品です。
私が購入したのは上記の写真にあるディーバカップというブランドのもので、以下の3タイプからサイズを選ぶことができます。
【月経カップのサイズの選び方(例)】
- 初潮を迎えていない18歳以下の人
- 19歳~30歳くらいで経血量が普通の人
- 30歳以上の経血が多めな人
他のブランドでも、経血の量や出産経験の有無などから、サイズが選ぶことが多いです。
Amazonや楽天市場で「月経カップ」と調べると、いろんなものが出てきます。値段は大体5,000円くらい。
とりあえず、月経カップは「経済的かつ地球に優しい。生理特有の不快感を軽減してくれる」この特徴さえ覚えておけば大体OK。
ちなみに、月経カップについて調べると「月経カップ 死亡」というワードがでてきて、ヒヤッとするのですが、タンポンによって細菌感染症TSS(トキシック・ショック症候群)という記事がヒットするだけで、月経カップの安全性を左右するものではありません。
というか「数日間同じタンポンを入れっぱなしにしていた」「タンポンを挿入したまま性交をした」など使い方が間違っていた事例が多く、使用方法を守っていれば、特別、心配することはないでしょう。
月経カップを実際に使ってみたリアルな体験レビュー(月経カップってこんな感じ)
ここからは、日記みたいな感じで、筆者が実際に体験してみて、心の中で思ったことをそのまま書きます。
当然、経血の量や使用感などには個人差があるので、皆が同じとは限りません。
これから「月経カップを使ってみようかな」と思っている人は、自分の場合はどうだろうと想像してみると良いかと思います。
購入|なんでこの月経カップを選んだのか
私は、超絶心配性の慎重派だから、SNS、Google先生、YouTube、ありとあらゆるところで「月経カップ」で検索して出てきた情報は一通り目を通した。
色や形、日本製(ROSECUP)・・・いろんなものがあるらしい。
Amazonで「月経カップ」と調べたら1番に出てくるエヴァカップ(EvaCup)も気になったけど、本体の色がついていないから経血の色が分かりやすいという点と、公式サイトの雰囲気、デザイン性が可愛いと思った「ディーバカップ」に決定。
付属のポーチ、なにこれ可愛い。これがいい、これ欲しい~。
(実際届いたポーチ、これに月経カップを保管するらしい)
それなのに、ディーバカップと検索すると「ディーバカップ 死亡」、こわ。一通りの記事をみたけど、特に関連性のある記事もないし、公式サイトで購入した。
購入してから、約1週間くらいで製品は届いた。
次の生理まで1か月と思って、1か月のあいだ、公式サイトや付属された説明書を2回以上は確認して、とりあえずイメトレ。
説明書によると、生理以外の用途で使うのはNGみたいだし、膣内が渇いていると入らないみたいなので、実際の練習は無し。次の生理を心待ちに待つ。
使う前の準備・煮沸消毒|鍋?電子レンジ?とりあえず鍋でいいか
説明書によると「使用する前はカップを5分~10分間煮沸消毒する」とある。
これは、初めて使用する前と、2~3か月に1回すると良いみたい。
Googleやインスタグラムでは、専用のカップに入れたり、マグカップに月経カップを入れて(カップの連続)消毒する方法もあるみたいだけど、真面目だから、付属の説明書通り、とりあえず鍋でトライ。
実際に膣に挿入したわけじゃないし、最初の消毒は、専用の鍋じゃなくてもいいかなと。
鍋の中に月経カップを放置すると、鍋の縁について、カップが溶ける可能性があるという記事を見て、10分間タイマーで測りつつ、箸でつつきながら、月経カップが鍋の縁に付かないように見守る。
10分経って、カップを鍋からとりだしたら「月経カップ用」の器に入れて、自然乾燥。
ちなみに、月経カップをそこら辺に放置するのに抵抗がある人は、100均などで皿か、コップか、そういうものを用意しておくと便利かも。
はじめての挿入|全然入らないし、入口でバインってなったら普通に痛い
(画像引用先:divacupjapan)
そろそろ生理が始まるかも、という段階で月経カップに挑戦(1日目の前日)。
説明書に「トイレの便座に座って挿入するか、浴室でバスタブに片足をかけて立った状態で挿入するか」とある。
ただし、トイレに落としたら取り換えた方が良いとのこと。
いや、5,000円もかけて買って、初っ端からトイレに落とすとか最悪でしょ、ということで、お風呂上りにお風呂場で挑戦。
挿入するときは2通り、Uフォードとプッシュダウンフォールド
挿入するときのカップの形は2通りくらいあって、Uフォードとプッシュダウンフォードがある。
(画像引用先:divacupjapan)
説明書に「月経カップを膣に挿入するときは、手をしっかり清潔にしてから」とあるので、月経カップと合わせて購入した専用の洗浄液で手を洗い「いざ」。
最初に挿入する面積が小さそうなプッシュダウンフォールドでやってみる。
タンポンも何度か使ったことあるし、性交経験もあるので、特に抵抗はなく「まあ入るでしょう」と思っていた。
立って膝を曲げた状態で「リラックス、リラックス、入る入る(深呼吸×3回)」・・・・えっ、全然入らないじゃん。
しかも、途中、月経カップを持っている指を放してしまうと「バインっ!」となってカップが広がるから、普通に痛い。
お風呂場、トイレ、寝っ転がっての3種類の体制で挑戦したけど、結局全然入らない&痛いのでやめた。
手が血まみれになる(抵抗がある人は厳しいかも)
次の日の朝、泣きのもう一回。
トイレに座った状態で、プッシュダウンフォールドで再度、挑戦してみる。
もっと早いスピードで入っていくものだと思ったけど、そうではないらしい(私の場合)。
ゆっくり、ゆっくり、自分の膣を信じて押し込んでみると、なんと入った。
中途半端に入れていると痛みがあるため、ステム(月経カップの先にある掴む部分)が飛び出てるくらいまで、挿入することが大切。
公式サイトでは、漏れを防ぐためにも、挿入したあと指を2本くらい膣の中に入れて、月経カップを固定させるとあるけど、これが私の場合、絶対的に無理。
月経カップを入れるのが精一杯で指なんて入らない。
とりあえず、手に経血がついてしまったので、何も触らないままお風呂場で手を洗う。
そして念のために、漏れても良いようにナプキンをつけておいた、これで何かあったときも心配は無し。
全てを完了させるために、合計20分くらいかかった。
これが外出先でするとしたら、結構大変かもしれないけど、慣れれば、そこまで時間はかからなさそう。
ちなみに、毎回月経カップを取り出すたびに専用洗剤で洗う必要はないらしく、1日に1回ハンドソープか専用洗剤で洗うだけで良いそうです。
挿入したまま過ごしてみた|最初は違和感があったけど、だんだん慣れる
最初は「膣の中になんか入ってる」という違和感があったけど、1時間くらい経つと、だんだん慣れてきた。
確かに、経血が垂れたり、座っている状態から立ったときの、あのドバっと出た感覚がないのは快適だった。
「おしっこしたときに、スルっと出てきてしまうかも」と思ったけど、全然出てこなかった。
試しに、トイレで思いっきり踏ん張ってもみたけど、筋肉の使うところが違うみたいで、これも全然出てこなかった。凄い。
座って作業しているあいだに、ステムが膣の奥に行ってしまって、取り出せなくなったらどうしようなど、少し心配しながら過ごした。
はじめて取り出し|とにかくリラックスと励ましが大事
1日目だったということもあって、5時間くらい試しにつけてみた。
Googleで月経カップについて調べたとき、抜けなくなって婦人科に行ったという方の記事を見て「抜けなかったらどうしよう」「上手く取り出せるかな」と不安があった。
もし、これが不安な人は、産婦人科が営業している時間帯に挑戦した方が良いと思う。
とにかく、不安なので「できるできる」と唱えながら、トイレの便座に座りながら、お腹に力を入れながら、ゆっくり取り外してみた。
一瞬、ステムが予想以上に膣の中に入っていたので、ドキッとしたけど、お腹に力を入れると、ステムが膣から出てくるので、それをゆっくり、ゆっくり引っ張る。
ここは意外とすんなり抜けて、感動。
トイレの中に、経血を捨てて、何も触らないようにして、月経カップをもったままお風呂に行って綺麗にする。
夜寝るとき|感動、仰向けでも寝れるし、経血が肌をつたう感じなくて快適
「1日目だし、初めてなんだから無理することない」と思ったけど、私は、寝ているときに「洋服が汚れないか」「シーツやマットレスが汚れないか」といつも不安なので、月経カップをつけて寝てみることにしてみた。
(本来であれば、翌日の日中にまた試してみるという方が良いのかもしれないけど)。
1回目の挿入から自信がついたようで、2回目はすんなりいけた(自分の膣を信じて・・・って心の中で唱えながらやったらいけた)。
1日目の夜から2日目に移行する夜だから、念のため、夜用の大きなナプキンをつけておいたから安心。
実際に寝てみると、凄い。「経血がお尻をつたってナプキンにつく」みたいな感覚が全くなくて感動。
生理のときは「仰向けNG」「大股開いて寝るのNG」だと思っていたのに、全然余裕だった。
これは良い。ただ、自分の経血の量がどれくらいなのか分からなくて、あふれ出てしまわないか、何か病気にならないかなどが心配だった。
一番経血が多い2日の使用感|「あ、そういえば私生理だったな」感
次の日、朝の5時くらいに起きて経血をチェック。
前日では、5時間で結構溜まっていたのもあって、それを基準に「朝の5時の時点で5時間になる」と思ったので、量を確認しておきたかった。
全然、経血が溜まっていなくてガックシ(なぜか)。
「今までナプキンを使っていたときは、寝ている時、経血の量が多く感じていたけど、それは肌についた不快感から、そう感じていただけだったのかも」と思った。
確かに、日中の活動しているときの方が多いのは当たり前なのかも。
月経カップを整えてから、二度寝をしようとしたとき、2日目の朝ということもあって「お腹の中からスプーンで肉をこそぎとる」みたいな生理痛を感じていたが、それは普段通り。
月経カップを入れているからお腹が痛くなる、みたいなことは無かった。
2日目は、1番経血の量が多いということもあって、4時間くらいを目途に経血をチェック。
その都度、手を洗ったり、月経カップを洗うのは面倒くさかったけど、自分の経血の量を確認するためにも、最初は丁寧すぎるくらいで良いかと。
経血が少ない2日目以降|まさに快適、1クールでかなり自信がついた
月経カップの着脱を2日間のうちに数回経験し、自分の経血量も見ることができたことで、よくわからないけど自信がついた。
私の場合、3日以降はグンっと経血の量が減るので、8時間はいけるだろうと、8時間に挑戦してみる。
最長12時間とはいえ、チェックできる環境なら、漏れ防止のためにも、経血量をチェックした方が良いと思った。
3日目以降は、1日目や2日目よりも経血量が少ないから、やはり快適。
膣も月経カップの形状に慣れたのか、4日目の朝や5日目の朝、日中などは生理を忘れるくらいだったので嬉しかった(頭の片隅にはいつ経血をリフレッシュしようかと考えているけど)。
1クールが終わったら、月経カップを専用の洗浄液で綺麗にして、煮沸消毒(5分~10分)、そして付属の巾着ポーチに入れて、来月の生理がくるまで風通しの良いところで保管します。
月経カップをはじめて使ってみた今だからこそまとめられるメリット・デメリット
経済的とか、地球に優しいなどの月経カップ全体のものではなくて、もっと身近なメリット・デメリットについて知りたい方もいるでしょう。
月経カップをはじめて1クール使ってみた今だからこそまとめられる、月経カップのメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 自分の身体のことよく知ることができる
- 生理特有のニオイを感じない
- 肌に経血がつかないから「不快感」がない
- ナプキンの使う量が少なくて済む(人によっては不要)
【デメリット】
- 慣れるまでは月経カップを挿入するときに「痛み」を感じる
- 月経カップを挿入して過ごすときに「違和感」を感じる
- 手は100%、床などの周囲にも経血がつく可能性がある
- 外出先で月経カップを取り換える場合、時間と手間がかかる
- 経血を確認するにも一度、膣から月経カップを取り出す必要がある
- 爪が長い、ネイルなどをしている人は膣が傷つく可能性がある
SNSや口コミをみると「外出先ではウェットティッシュを使う」という方もいますが「除菌」系のウェットティッシュは向かないようです。
私が購入したディーバカップの説明書には、除菌石鹸は使用禁止となっていたので、膣内の常在菌のためにも、使用上の注意は守った方が良いでしょう。
できれば、外出先でも多目的トイレを使うようにして(個室の場合は、水を持参して)、月経カップを水や専用洗浄液を使って綺麗にして、また装着するという方が安全です。
おそらく、一連の流れは、回数を重ねて慣れることで、もっとスムーズに・快適になると思います。
私の場合、最初こそ20分かかったけれど、2日目以降は5分程度で「膣から月経カップを取り出す→捨てる→水と専用洗浄液で月経カップを綺麗にする→膣に挿入」この流れを5分でできるようになりました。
そして、何度もやっていれば、自分に合う良い方法を見つけることができると思いますから、よっぽど痛みがあるとかでない限りは、挑戦する価値はあるのではないでしょうか。
確かに、着脱時の洗浄などの手間はあるけど、それ以上の「快適さ」があるし、「脱ナプキン」を目指して、私は今後も試したいです。
慣れれば快適なのは間違いなし、それまでには遠い道のりがある
月経カップの初体験について、かなり詳しく紹介してみました。
私はテレワークということもあって、生理の周期を気にすることなく、自宅で練習することができましたが、慣れない間は「自宅にいる間だけ」「寝ている間だけ」など、時間を限定するのもおすすめです。
おそらく、慣れるまでが大変だと思うので、途中で「やめた」という人も多そうですが、「快適さ」はあるので、気になる方は月経カップ試してみてくださいね。