着物の基礎知識

成人式のママ振袖はダサい?地味?小物や帯を工夫して現代風にアレンジする方法を紹介

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ママ振袖 着物の基礎知識
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ここ数年で、成人式で「ママ振袖」を着る人が増えています。「ママ振袖」は親子で成人式の思い出を共有できると人気です。

しかし「古臭くないの?」「ダサくない?」「デメリットはないの?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。

そこで、今回は「ママ振袖」とは、という基本的なところから、「ママ振袖」のメリット、デメリット、さらにコーディネート例や体験談を詳しく紹介していきます。

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成人式の「ママ振袖」とは

振袖

そもそも「ママ振袖」とはどういうものなのでしょうか。

増えている理由やメリット、デメリットについてもみていきましょう。

母親、祖母の振袖を譲り受ける「ママ振袖」

「ママ振袖」とは、母親が成人式などに袖を通した思い出の振袖のことです。中には「祖母、母、娘と三代に渡って振袖が受け継がれている」というパターンもあります。

ここ数年で、この「ママ振袖」を着て成人式に出席する若者が増えてきています

「ママ振袖」は、振袖の購入費用やレンタル代を抑える事ができるという経済的なメリットももちろんありますが、それ以上に「振袖に込められた様々な思いを親子それぞれに感じる事ができる」「レトロ柄が他の子のレンタル着物と被ってないのでかわいい」という気持ちやデザインの面での充実感が大きいのが人気の秘密です。

成人式の「ママ振袖」の割合は4割!増えている理由とメリットデメリット

一昔前までは、振袖は購入かレンタルかの2択がほどんどでしたが、最近は「ママ振袖」で成人式を迎える人が徐々に増え始め、その割合は全体の4割程を占めています。

なぜ今「ママ振袖」が人気なのでしょうか?まずはそのメリットを探ってみましょう。

ママ振袖のメリット

女性メリット

「ママ振袖」のメリットは以下の通りです。

  • 親子で思い出を共有できる
  • 昔の振袖は品質が高い物が多い
  • 他の人とデザインが被りにくい
  • 成人式の費用を節約できる

以下詳しく解説します。

親子で思い出を共有できる

ママ振袖のメリットは、何といっても親子で晴れ着を共有する事で、成人式という特別な日が更に特別な思い出になる所です。

お母さん世代は、自分の振袖に袖を通した娘の成長を喜びながら、自分自身の若い頃を思い出し、当時の母親の愛情を実感する事ができます。

また、これから成人式を迎える娘さん側も、母親や祖母が喜んでくれる姿を見られるのは嬉しいものでしょう。「ママ振袖」は、お互いの絆をより深めてくれる素敵な時間をプレゼントしてくれるのです。

昔の着物は品質の高い物が多い

今のお母さん世代の振袖は品質の高い物が多いのも特徴です。今のお母さん世代の若い頃は、丁度バブルの時代でした。

そんな華やかな時代背景の中で作られた振袖は、「手描き友禅」や「総絞り」など、丁寧な手仕事で時間をかけて仕立てられた高級品が多く、当時の値段で100万円以上するものも沢山販売されていました。

今ではなかなか手が出せないような貴重な着物に袖を通せるのは、着物のことを少しでも知っている人が見ればかなり羨ましいことです。

デザインが被りにくい

他のお友達と振袖のデザインが被りにくいのも「ママ振袖」の魅力の一つです。

現在は、海外製のものや、ミシンやデジタルプリントなどで振袖も大量生産が可能になってきているので、他の人と振袖が被ってしまう確率も高くなってしまいますし、全く同じでなくてもどこか見たことあるような似通ったものが多いです。

その点、今ほどデジタルプリントの技術が発達していなかった時代に作られたママ振袖の多くは、一点もの。今現在流通されていない「ママ振袖」なら、他の人と被ることもまずないためオリジナリティーを出す事ができます。

成人式の費用を節約できる

「ママ振袖」を活用することで、成人式にかかる費用を大幅にコストダウンできるのも大きなメリットです。

振袖自体が手元にあるので、あとは帯や小物を揃えるだけ。単純に振袖分のコストが不要になるので、成人式全体にかかる費用を節約する事ができます。

振袖を新たに購入する場合、振袖だけの価格でも20~100万円。レンタルの場合も5~30万円は必要です。

その分の費用が不要となればかなりの節約になりますね。

ただ、保存状態の関係で目立ったシミや汚れ、また大幅なサイズ直しが必要な場合は、その分の費用がかかってしまうので、注意が必要です。

ママ振袖のデメリット

女性デメリット

ここまでは、「ママ振袖」のメリットをお伝えしてきました。しかし、メリットばかりではなく、デメリットもあります。

  • そもそも自分の好みではない
  • 保存状態によってはシミや汚れ、シワなどがある場合も
  • サイズが合わないと直しが必要

以下詳しく解説します。

そもそも自分の好みではない

最大のデメリットは、ママ振袖が「そもそも自分の好みではない」と感じる場合です。

いくら母親の思い出の振袖でも、色や柄、全体の雰囲気が自分のイメージに合わなかった場合は、どうしようもありません。

ただ、帯や帯揚げ、帯締め、また半衿や重ね衿などの衿周りを変えるだけでも、全体の雰囲気がガラっと変わるので、一度着物店やレンタルショップなどで小物を合わせてみてからでも遅くはないでしょう。

もし、それでも納得いかなければ家族で話し合い、購入やレンタルも検討しましょう。たださらにお金がかかってしまうことなので、双方歩み寄りの気持ちも大切に。

娘さんはお金を出してもらって当たり前と思わず感謝の気持ちを、お母さんはせっかくのハレの日にできるだけ本人の納得のいく形に近づけてあげられるよう、お互いのことを考えてあげてくださいね。

保存状態によってはシミや汚れ、シワがなどがある場合も

「ママ振袖」は母親が若い頃に着た振袖なので、少なくとも20年以上は経過している事になります。

その間、定期的に虫干しをしたり、防虫剤を入れ替えたりと定期的にメンテナンスを行っていればよいのですが、保存状態が悪いとシミや汚れ、折ジワなどが発生してしまっている事もあります

そのような場合は、着用自体を諦めるか、または、クリーニングや染み抜きを行ったりしなければいけません。

シミや汚れの程度によっては、クリーニングや染み抜きに時間がかかるものもあるので「ママ振袖があるから大丈夫」と安心せずに、少なくとも着用の半年前までには広げて一度着物の状態をチェックしましょう。

サイズが合わないと直しが必要

振袖のサイズが極端に違う場合は、サイズ直しが必要になることもあります。

大きなサイズの振袖の場合には「袖丈が床に付かないか」どうかをチェックしましょう。また、振袖のサイズが小さい場合には、仕立て直しや、幅出しが必要になり、その分費用がかかってしまうので注意が必要です。

さらに、あまりに母娘でサイズが異なり、身幅や身丈を出そうにも布が足りないということも考えられます。

極端に短かったり、幅の足りない着物は、着姿を美しく保つことが難しいので、その場合ママ振袖を着るのは諦めた方がいいでしょう。

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そのままの「ママ振袖」ではダサい…地味…!アレンジ・リメイクなどの対処法

きもの小物

「ママ振袖が古臭い」と感じる場合でも、小物のアレンジ次第で雰囲気をガラっと今風に変える事ができます。

小物を新調する。これからも振袖を使うなら、レンタルではなく購入がおすすめ

同じ振袖でも小物を変えるだけで、全体の印象は大きく変わるので、一度着物店やレンタルショップに振袖を持ち込んで、小物を合わせてみましょう

また、「これから何度も振袖を着る機会がある」という場合には、レンタルではなく新調するのがおすすめ。

小物を購入すれば、その都度借りる手間も省けます。振袖は結婚するまで、大学の卒業式や、友人の結婚式で着ることが可能です。

さらにレンタルに比べて、購入する方が様々な種類の中から自分の好きなものを選べるというメリットもあります。

以下、小物のコーディネートのポイントを紹介します。

帯締め・帯揚げ

まずは、帯締めや帯揚げを今風のものに変えてみましょう

今は、昔からあるシンプルな帯締めの他にも、パールの飾り付きのものや、立体的な花の飾りがいくつも付いているもの、また、何本かの色の違う帯締めが一緒になったようなデザインのものまで、バラエティーに富んだ帯締めが数多く販売されています。

また帯揚げは、定番の絞りでもカラーバリエーションも数多く、他にも母親世代にはなかったような、ストライプやチェック、水玉などの現代柄の帯揚げの種類も豊富です。

伝統的な古典柄の振袖に、今風の帯締めや帯揚げを合わせれば帯周りが一気に華やかな印象に変わります。

半衿・重ね襟

半衿や重ね衿も今は色々な柄、デザインのものがあります。

古典柄の着物に、様々な色の糸を使って豪華な刺繍模様が施されている半衿を合わせれば、より衿元が豪華になり、また、格子柄やレースなど今風の半衿を合わせれば一気にモダンな雰囲気に早変わりです。

重ね衿も、グラデーションや、リバーシブル、パールやラインストーンが付いたもの、また、つまみ細工の可愛らしい花がワンポイントになった可愛らしいものまで様々あるので、好みに合わせて付け替えて、自由にアレンジしてみましょう。

髪飾り

髪飾りで最近注目なのが、ちりめんで作られた可愛い花飾りです。まるで和菓子のようなはんなりした色合いで作られた大ぶりの髪飾りは存在感も抜群です。中には、舞子さんが付けるような、藤の花のデザインの髪飾り等もありとってもキュートです。

大人っぽく仕上げたい時には、べっ甲のかんざしを何本か使ってみるのもおすすめです。

振袖にお金が掛からない分、こうした小物に少しだけお金をかけてみると、おしゃれ度もグンとアップします。

草履・バッグ

母親世代の草履やバッグはほとんどがエナメル製です。高級なものが多いので、もちろんそのまま使ってもOKですが、今は可愛い草履やバッグも沢山販売されています。

中でも人気なのが、着物地や帯の生地を使い、豪華な刺繍が施されたバッグです。草履とセットの場合は、鼻緒の部分にもバックと同じ刺繍が入っているものもありとても素敵です。

また草履のデザインも様々で、母親世代にはなかったようなソールの部分にパールが付いている物など、可愛い物もたくさんあるので、好みに合わせて自由にコーディネートしてみましょう。

ショール

振袖といえば、成人式などでよく見かけるファーが定番ですが、ファー以外にもベルベットケープや大判のストールなどを合わせてみるのもおすすめです。

ベルベットストールは、シンプルなものから、ファー付きのもの、また可愛い刺繍入りのものや裾がレースになっているものまで種類も豊富です。

大判ストールは、和装用に限らず普段使いのショールにも目を向けてみると、コーディネートの幅が広がります。

母親世代の小物は、全般的に今の振袖と比べてシンプルなものが多いので、小物を変えるだけで「ママ振袖」が豪華に生まれ変わります。楽しみながら自由な発想で自分流にアレンジしてみましょう。

帯を新調する。ただし高価な振袖に合わせるならそれなり費用が必要かも

帯は振袖姿の印象を決める重要なアイテムです。「ママ振袖」に合わせて帯を新しくする事でも、振袖の印象をガラリと変えることができます。

ただし、高級な振袖に合わせても見劣りしないような帯は、やはり値段もそれなりです。数ある振袖用の帯の中でも「素敵だな」と思うようなものは、だいたい10万円以上するものがほとんど。

しかし、振袖に使う袋帯は、色や柄等が合えば、ミセスになっても訪問着の帯としても使えるので、思い切って購入しても損はありません。


やはり帯を買い直すのはちょっと…という場合は、帯結びを工夫してみましょう。

今は昔に比べ凝った結び方が様々あるので、同じ帯でも結び方次第で印象がぐっと変わりますよ。

ただし帯結びは着付け士の腕に掛かっています。事前に打ち合わせできるなら、希望の結び方を伝えておくのがいいでしょう。

仕立て直してサイズはぴったりに

「ママ振袖」のデメリットに挙げた「サイズの合わない」振袖でも、仕立て直しを行えばピッタリのサイズにすることができます。

必要な費用は、部位によって様々です。

裄(背中心から袖口までの長さ)や袖丈(振袖の袖の長さ)を直す場合には15,000円前後。また身丈(背中心から裾までの長さ)や、身幅(着物の横幅)を直す場合には、少し手間がかかるので、30,000円前後の費用がかかります。

このサイズ直しには場合によってある程度の期間が必要になる場合もあるので、少なくとも半年前には「サイズ直しが必要かどうか」をチェックする事が、間際になって慌てないコツです。

シワや汚れ・シミがあるならクリーニングに出してお手入れ

20年以上経過している振袖を綺麗な状態で保存するにはかなりの気配りが必要です。「いざ娘にと思って広げてみたら、シミや汚れがあった」なとどいう事も少なくありません。

そのような場合は、着用前にクリーニングに出してクリーニングを行う必要があります。費用は、簡単なものなら3,000~5,000円で済む場合もありますが、目立つ汚れの場合には1~2万かかってしまうこともあります。

振袖の状態も、サイズ直しと同様に半年前にはチェックして下さい。特に目立ったシミや汚れが無い場合でも、念のため着用前にクリーニングに出しておきましょう

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「ママ振袖」の体験談・思い出

実際に成人式に「ママ振袖」を着た人は、どの様な感想を持ったのでしょうか?

いい思い出になったという人が多い

「ママ振袖」を経験した人のほとんどが「いい思い出になった」と答えています。その声は以下の通りです。

  • 母が着た振袖を自分も着る事で思い出深い成人式になった
  • 母の喜ぶ顔を見たら、「親孝行したなぁ」と嬉しくなった
  • 娘が私の振袖を着た姿を見て、成長を感じ涙が出た

これを見ると「ママ振袖」を着た事が、娘も母親にも特別な思い出になっている事がよく分かります。

その気持ちを体験した娘世代が「今度はこの振袖を私の娘に」と大切な思いや愛情が代々受け継がれていくとしたら、とても素敵な事です

実際、筆者も「ママ振袖」で成人式に参加しました。

母や祖母が喜んでくれたのはもちろんのこと、母が若いころお花や着付けを習っていた祖母の姉が、認知症が進んでしまっているにも関わらず、母の名前を呼びながら手をたたいて喜んでくれたことが印象深かったです。

中には後悔した、失敗したという人も

しかし、中には「ママ振袖」を着た事で、「後悔している」や、「失敗した」などと感じている人もいます。代表的な所を以下箇条書きで挙げてみましょう。

  • 気に入らない振袖を半ば強制的に着せられて不満が残った
  • 母が喜ぶかな?と思って着てみたけれど、周りの友達と比べて古臭かった
  • 帯や小物もそのまま母親のものだったので、小物だけでも変えれば良かった
  • シミや汚れが落ちずに、テンションが下がった

いくら「ママ振袖」があっても、やはり「今の振袖の配色や模様のデザインの方が好き」という人がいる事も事実です。

「母親が大切に保管してくれていた思い出の振袖を着たら、きっと喜んでくれる」「せっかく振袖があるのだから安く済ませれば親孝行」など、親の気持ちを受取るのはとても素敵な事です。

しかし、親の気持ちを忖度するばかりに、納得の行かない状態で「ママ振袖」を着て成人式に行き、結局嫌な気持ちが残るのでは、お母さんのためにも、娘さんの為にもなりません

同じ親子であっても、好みやセンスは違って当然です。一通り小物をいろいろ合わせて工夫してみて、それでも納得いかなかった場合には親子できちんと話し合う事も大切かもしれません

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まとめ

「ママ振袖」は母親や子供、そして祖母の世代と3世代の思い出を共有することのできる素敵なものです。

大切な「ママ振袖」を自分流に素敵にアレンジして、晴れの日の最高の思い出を作りましょう。

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